乳児期先天性心疾患術後二期的胸骨閉鎖症例の検討
1990年8月より95年6月までに当科で開心術を行った1歳未満の先天性心疾患95例中術後24時間以上胸骨開放し二期的胸骨閉鎖した9症例 (9.4%) を検討した. 1) 閉胸までの日数は2~8 (平均4.3) 日で体外循環時間と正の相関 (r=0.64) を認めた. 2) 閉胸直前の呼吸循環動態は改善しドーパミン投与量, 吸入酸素濃度の有意な減量が可能であった. 3) 閉胸までの水分出納の推移は徐々に負へ傾き閉胸前日には±0以下とすることが必要であった. 臨床所見上も強制利尿により術直後の全身浮腫の経時的改善を認め水分管理の重要性が示唆された. 4) 遠隔期死亡は3例で明らかな胸骨開放に伴う感...
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| Published in | 日本心臓血管外科学会雑誌 Vol. 26; no. 4; pp. 224 - 229 |
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| Main Authors | , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会
15.07.1997
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| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0285-1474 1883-4108 |
| DOI | 10.4326/jjcvs.26.224 |
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| Summary: | 1990年8月より95年6月までに当科で開心術を行った1歳未満の先天性心疾患95例中術後24時間以上胸骨開放し二期的胸骨閉鎖した9症例 (9.4%) を検討した. 1) 閉胸までの日数は2~8 (平均4.3) 日で体外循環時間と正の相関 (r=0.64) を認めた. 2) 閉胸直前の呼吸循環動態は改善しドーパミン投与量, 吸入酸素濃度の有意な減量が可能であった. 3) 閉胸までの水分出納の推移は徐々に負へ傾き閉胸前日には±0以下とすることが必要であった. 臨床所見上も強制利尿により術直後の全身浮腫の経時的改善を認め水分管理の重要性が示唆された. 4) 遠隔期死亡は3例で明らかな胸骨開放に伴う感染症による死亡は認めなかった. 以上胸骨開放後の胸骨二期閉鎖症例の予後は比較的良好であり長時間体外循環を余儀なくされた症例に対しては躊躇なく胸骨開放かつ二期閉鎖とすることで手術成績改善が望めると思われた. |
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| ISSN: | 0285-1474 1883-4108 |
| DOI: | 10.4326/jjcvs.26.224 |