尿管閉塞をきたした孤立性内腸骨動脈瘤の1例

孤立性内腸骨動脈瘤が尿管を閉塞することはきわめて稀である.尿管を圧迫閉塞し水腎症をきたした孤立性内腸骨動脈瘤の1手術例を経験した.症例は67歳,女性.主訴は右下腹部痛.右孤立性内腸骨動脈瘤による右尿管閉塞,水腎症と診断し,経皮的腎瘻を造設後待機手術を施行した.直径4cmの右内腸骨動脈瘤が右尿管と癒着し圧排伸展していた.尿管を剥離・温存し,瘤切除を施行した. 瘤の成因は動脈硬化性であったが,何らかの炎症により尿管と内腸骨動脈が癒着し,瘤の増大にともなって,尿管の閉塞をきたしたものと考えられた....

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 59; no. 1; pp. 244 - 247
Main Authors 寒川, 顕治, 虫明, 寛行, 谷崎, 眞行, 藤田, 邦雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 25.01.1998
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.59.244

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Summary:孤立性内腸骨動脈瘤が尿管を閉塞することはきわめて稀である.尿管を圧迫閉塞し水腎症をきたした孤立性内腸骨動脈瘤の1手術例を経験した.症例は67歳,女性.主訴は右下腹部痛.右孤立性内腸骨動脈瘤による右尿管閉塞,水腎症と診断し,経皮的腎瘻を造設後待機手術を施行した.直径4cmの右内腸骨動脈瘤が右尿管と癒着し圧排伸展していた.尿管を剥離・温存し,瘤切除を施行した. 瘤の成因は動脈硬化性であったが,何らかの炎症により尿管と内腸骨動脈が癒着し,瘤の増大にともなって,尿管の閉塞をきたしたものと考えられた.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.59.244