卵巣様間質が認められた胆嚢管原発肝外胆管粘液嚢胞腺腫の1例

症例は黄疸が主訴の36歳の女性で,以前から肝機能障害を時々指摘されていた. 1999年2月に主訴にて近医を受診, ERCP検査はされなかった. 10月には主訴が増悪し, 12月22日に当院紹介入院となった.腹部超音波, CT, MRI検査にて三管合流部に嚢胞性病変が認められた. ERCPは拒否され, PTCDを行い総肝管での狭窄が判明した.血管造影検査では著変はなかった. 2000年1月18日に手術が行われた.嚢胞は三管合流部にあり,総胆管からは剥離可能であったが,胆嚢とは不能であった.嚢胞を含めて胆嚢摘出術を行った.温存総胆管を術中胆道造影で評価したところ狭窄は不変で,総肝管を切除,胆道再建...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 63; no. 1; pp. 166 - 170
Main Authors 山田, 哲司, 吉野, 裕司, 原田, 猛, 森田, 克哉, 八木, 真悟, 横井, 健二, 車谷, 宏
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 25.01.2002
Subjects
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.63.166

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Summary:症例は黄疸が主訴の36歳の女性で,以前から肝機能障害を時々指摘されていた. 1999年2月に主訴にて近医を受診, ERCP検査はされなかった. 10月には主訴が増悪し, 12月22日に当院紹介入院となった.腹部超音波, CT, MRI検査にて三管合流部に嚢胞性病変が認められた. ERCPは拒否され, PTCDを行い総肝管での狭窄が判明した.血管造影検査では著変はなかった. 2000年1月18日に手術が行われた.嚢胞は三管合流部にあり,総胆管からは剥離可能であったが,胆嚢とは不能であった.嚢胞を含めて胆嚢摘出術を行った.温存総胆管を術中胆道造影で評価したところ狭窄は不変で,総肝管を切除,胆道再建術を施行した.切除標本では胆嚢管自体が嚢胞状に変化し,内部に透明のゼリー状の粘液を有していた.病理組織学的検査では,卵巣様間質を有する多胞性の嚢胞で,胆嚢管の粘液嚢胞腺腫との診断を得た.極めて稀な症例と考えられた.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.63.166