妊娠期に発症した乳房原発悪性リンパ腫の1例

乳房原発悪性リンパ腫は,乳房悪性腫瘍の0.04~0.5%,節外性悪性リンパ腫の約2.1%を占める稀な疾患である.なかでも,妊娠・授乳期に発症する報告は非常に少なく,またその多くはBurkitt lymphomaで通常頻度の高いdiffuse B-cell lymphomaの報告はほとんどない.今回われわれは,妊娠期に発症した乳房原発悪性リンパ腫1例を経験した. 症例は30歳,女性,妊娠13週. 2002年1月左乳房腫瘤自覚.穿刺吸引細胞診class IV,悪性リンパ腫を疑われ当科紹介受診.摘出生検施行.病理検査結果diffuse large B-cell lymphoma. stage IE期...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 65; no. 4; pp. 900 - 903
Main Authors 中島, 一毅, 廣納, 麻衣, 紅林, 淳一, 園尾, 博司, 田中, 克浩, 池田, 雅彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 25.04.2004
Subjects
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.65.900

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Summary:乳房原発悪性リンパ腫は,乳房悪性腫瘍の0.04~0.5%,節外性悪性リンパ腫の約2.1%を占める稀な疾患である.なかでも,妊娠・授乳期に発症する報告は非常に少なく,またその多くはBurkitt lymphomaで通常頻度の高いdiffuse B-cell lymphomaの報告はほとんどない.今回われわれは,妊娠期に発症した乳房原発悪性リンパ腫1例を経験した. 症例は30歳,女性,妊娠13週. 2002年1月左乳房腫瘤自覚.穿刺吸引細胞診class IV,悪性リンパ腫を疑われ当科紹介受診.摘出生検施行.病理検査結果diffuse large B-cell lymphoma. stage IE期.妊娠中絶後CHOP施行.妊娠期乳房原発悪性リンパ腫の稀な症例であった. 乳房原発悪性リンパ腫は乳癌との鑑別が困難である.今回われわれは摘出生検後,化学療法を施行できたが,無駄な拡大手術を避け,適切な治療を選択することが必要であると思われた.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.65.900