慢性関節リウマチの腎障害 尿検査異常,腎機能障害とその成因について
慢性関節リウマチの腎障害に関し,当科入院88例を検討した.アミロイドーシス,膠原病重複例を除いた71例では,毎視野5個以上の血尿は35%, 0.5g/日以上の蛋白尿は12%で,血尿主体の尿異常を認めた.腎機能では,糸球体〓過値30m1/分以下の例はなく,一方PSP試験15分値と濃縮試験の異常は,おのおの28%, 37%で,腎血流,尿細管間質の障害を高頻度に認めた.全症例で,腎障害とCRP値,関節外症状の有無,リウマチ因子,金療法歴の有無との関連を検討した結果,腎障害は原病の活動性とは関連なく,他の関節外症状と出現態度を異にし,リウマチ因子とは負の相関を認め,また,金療法群では,血尿を高度に認め...
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Published in | 日本内科学会雑誌 Vol. 77; no. 4; pp. 487 - 493 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本内科学会
1988
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Online Access | Get full text |
ISSN | 0021-5384 1883-2083 |
DOI | 10.2169/naika.77.487 |
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Summary: | 慢性関節リウマチの腎障害に関し,当科入院88例を検討した.アミロイドーシス,膠原病重複例を除いた71例では,毎視野5個以上の血尿は35%, 0.5g/日以上の蛋白尿は12%で,血尿主体の尿異常を認めた.腎機能では,糸球体〓過値30m1/分以下の例はなく,一方PSP試験15分値と濃縮試験の異常は,おのおの28%, 37%で,腎血流,尿細管間質の障害を高頻度に認めた.全症例で,腎障害とCRP値,関節外症状の有無,リウマチ因子,金療法歴の有無との関連を検討した結果,腎障害は原病の活動性とは関連なく,他の関節外症状と出現態度を異にし,リウマチ因子とは負の相関を認め,また,金療法群では,血尿を高度に認め,糸球体基底膜の菲薄化も散見された. |
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ISSN: | 0021-5384 1883-2083 |
DOI: | 10.2169/naika.77.487 |