出血源不明クモ膜下出血例の脳血管撮影の特徴について

出血源不明のクモ膜下出血症例19例の脳血管撮影上の特徴を, 脳動脈瘤群181例, 対象群110例と対比し検討した.その結果, A1 hypoplasia, fetal type PCA, azygos ACA, A2 fenestration等々のvariation, anomalyが認めやられる頻度は, 出血源不明のクモ膜下出血例で63.2%, 脳動脈瘤群で65.8%とほぼ同頻度であり, 対照群の52.7%に比べ高率を示した.これらの血管構築の異常では動脈壁の抵抗減弱を招き, さらに過度のhemodynamic stressをもたらし, クモ膜下出血を引き起こしやすい環境を形成しているものと...

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Published in脳卒中 Vol. 9; no. 5; pp. 448 - 455
Main Authors 丸林, 徹, 益満, 努, 三浦, 正毅, 山本, 東明, 松角, 康彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中学会 1987
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ISSN0912-0726
1883-1923
DOI10.3995/jstroke.9.448

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Summary:出血源不明のクモ膜下出血症例19例の脳血管撮影上の特徴を, 脳動脈瘤群181例, 対象群110例と対比し検討した.その結果, A1 hypoplasia, fetal type PCA, azygos ACA, A2 fenestration等々のvariation, anomalyが認めやられる頻度は, 出血源不明のクモ膜下出血例で63.2%, 脳動脈瘤群で65.8%とほぼ同頻度であり, 対照群の52.7%に比べ高率を示した.これらの血管構築の異常では動脈壁の抵抗減弱を招き, さらに過度のhemodynamic stressをもたらし, クモ膜下出血を引き起こしやすい環境を形成しているものと思われる. 高血圧症の合併は19例中9例 (47.4%), 脳動脈硬化像の強い例も19例中6例 (31.6%) と高率に認められた. 症例を呈示して出血源についての考察を試みた.
ISSN:0912-0726
1883-1923
DOI:10.3995/jstroke.9.448