主幹動脈閉塞による基底核梗塞の検討

脳血管撮影にて内頚動脈閉塞を認めた105例および中大脳動脈閉塞246例のうちCTにて梗塞巣が基底核部に限局していた57例について, その臨床症状・CT所見・一部脳血流量・脳波を検討し, 次の成績を得た.1) CT所見 : OM-line上5cm±1cmの面で低吸収域長径の大きさが1.6cm以上のものは40例であった.型の多くは類円形で, レンズ核・内包に, 一部尾状核頭部に分布していた.これらの88%は基底核・内包より半卵円中心に及ぶ低吸収域の拡大を伴っていた.2) 臨床症状 : 運動障害高度のものは上肢で60%, 下肢で32%にみられ, また15例に失語症, 16例に半盲症を認め, pure...

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Published in脳卒中 Vol. 7; no. 4; pp. 291 - 298
Main Authors 荒木, 五郎, 柚木, 和太, 岩本, 俊彦, 勝沼, 英宇
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中学会 1985
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ISSN0912-0726
1883-1923
DOI10.3995/jstroke.7.291

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Summary:脳血管撮影にて内頚動脈閉塞を認めた105例および中大脳動脈閉塞246例のうちCTにて梗塞巣が基底核部に限局していた57例について, その臨床症状・CT所見・一部脳血流量・脳波を検討し, 次の成績を得た.1) CT所見 : OM-line上5cm±1cmの面で低吸収域長径の大きさが1.6cm以上のものは40例であった.型の多くは類円形で, レンズ核・内包に, 一部尾状核頭部に分布していた.これらの88%は基底核・内包より半卵円中心に及ぶ低吸収域の拡大を伴っていた.2) 臨床症状 : 運動障害高度のものは上肢で60%, 下肢で32%にみられ, また15例に失語症, 16例に半盲症を認め, pure motor hemiplegiaは全体の約1/3であった.3) γCBF : 133Xe動注法を19例に施行, 血流低下を15例に認めた.4) CME : 18例にのべ35回施行, 異常所見を全例29回に認めた.以上から主幹動脈閉塞による基底核・内包付近の梗塞では, 皮質枝領域の血流低下を伴っていることが多い.
ISSN:0912-0726
1883-1923
DOI:10.3995/jstroke.7.291