Hollow Fiber膜型人工肺による開心術の臨床的検討

マイクロポーラスポリプロピレン中腔糸を使用した小型のホローファイバー膜型人工肺を65例の開心術に用いたが, 膜面積当たりの酸素添加能, 炭酸ガス排泄能も臨床応用上十分であった。症例によっては, over-oxygenationとなるので, 1.6M2と3.3M2の中間サイズ及び1.6M2より小さなサイズの膜面積設定が必要と考えられた。単位時間当たりの溶血に関しては, 気泡型に勝るものの, 長時間灌流症例では, Travenol膜型肺に比し, 圧力損失に起因すると思われる溶血度の増加傾向を示した。送血回路の気泡混入の検討でも, 気泡型をはるかに凌ぐが, 初期充填液注入前の炭酸ガス封入法及びサンプ...

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Published in人工臓器 Vol. 14; no. 3; pp. 1620 - 1623
Main Authors 大石, 喜六, 古賀, 道弘, 柴田, 栄治郎, 石井, 博明, 島田, 昇二郎, 安藤, 文彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本人工臓器学会 1985
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ISSN0300-0818
1883-6097
DOI10.11392/jsao1972.14.1620

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Summary:マイクロポーラスポリプロピレン中腔糸を使用した小型のホローファイバー膜型人工肺を65例の開心術に用いたが, 膜面積当たりの酸素添加能, 炭酸ガス排泄能も臨床応用上十分であった。症例によっては, over-oxygenationとなるので, 1.6M2と3.3M2の中間サイズ及び1.6M2より小さなサイズの膜面積設定が必要と考えられた。単位時間当たりの溶血に関しては, 気泡型に勝るものの, 長時間灌流症例では, Travenol膜型肺に比し, 圧力損失に起因すると思われる溶血度の増加傾向を示した。送血回路の気泡混入の検討でも, 気泡型をはるかに凌ぐが, 初期充填液注入前の炭酸ガス封入法及びサンプリングや注入方法の再検討により, なお一層気泡混入を減ずることも可能と思われ, 溶血も含め, 設計及び操作上まだ研究の余地があると考えられた。
ISSN:0300-0818
1883-6097
DOI:10.11392/jsao1972.14.1620