腹腔鏡下胆嚢摘出術の麻酔

腹腔鏡下胆嚢摘出術95例について,手術時間,麻酔時間,術中のPET CO2, PaCO2, pHの変化,術中合併症を検討した.さらにこのうちの26例については経食道エコーによるモニターを行なって,炭酸ガスの右房内への流入状況を観察した.また合併症等について開腹胆嚢摘出術と比較した.PET CO2, PaCO2, pH,は二酸化炭素による気腹30分後にはいずれも有意な変化を示した.経食道エコーでは26例中11例,42.3%の症例に流入した炭酸ガスの気泡によると思われるエコー像を認めた.また気泡のエコー観察前後でPET CO2の上昇傾向が認められた.開腹胆嚢摘出術との比較では,腹腔鏡下胆嚢摘出術で...

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Published in日本臨床麻酔学会誌 Vol. 13; no. 2; pp. 174 - 180
Main Authors 谷川, 攻一, 井上, 義崇, 北野, 正剛, 重松, 昭生
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床麻酔学会 1993
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ISSN0285-4945
1349-9149
DOI10.2199/jjsca.13.174

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Summary:腹腔鏡下胆嚢摘出術95例について,手術時間,麻酔時間,術中のPET CO2, PaCO2, pHの変化,術中合併症を検討した.さらにこのうちの26例については経食道エコーによるモニターを行なって,炭酸ガスの右房内への流入状況を観察した.また合併症等について開腹胆嚢摘出術と比較した.PET CO2, PaCO2, pH,は二酸化炭素による気腹30分後にはいずれも有意な変化を示した.経食道エコーでは26例中11例,42.3%の症例に流入した炭酸ガスの気泡によると思われるエコー像を認めた.また気泡のエコー観察前後でPET CO2の上昇傾向が認められた.開腹胆嚢摘出術との比較では,腹腔鏡下胆嚢摘出術で手術時間は短い傾向にあったが,術中の循環動態が不安定であった症例が多く皮下気腫等の特異な合併症もみられた.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.13.174