広範囲に進展したアポクリン非浸潤性乳管癌の1切除例

広範囲に進展したアポクリン非浸潤性乳管癌 (apocrine ductal carcinoma in situ, 以下ADCIS) の1例を経験した.症例は44歳の女性で右乳房の大きこりを主訴に来院した.マンモグラフィでは多形性,微細線状石灰化がびまん性にみられ,針生検でDCISと診断された.術中のセンチネルリンパ節生検で転移を認めず,単純乳房切除術を施行した.病理組織診断ではほとんどの細胞がアポクリン細胞の特徴を呈し,乳管外に浸潤する病変を認めずComedo型のADCISと診断された.免疫組織学的にはGCDFP-15, Ki-67, HER-2が陽性,エストロゲン,プロゲステロン,アンドロゲ...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 67; no. 3; pp. 592 - 596
Main Authors 笹栗, 毅和, 武田, 成彰, 島田, 和生, 渡辺, 次郎, 光山, 昌珠, 沖野, 秀宣
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 25.03.2006
Subjects
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.67.592

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Summary:広範囲に進展したアポクリン非浸潤性乳管癌 (apocrine ductal carcinoma in situ, 以下ADCIS) の1例を経験した.症例は44歳の女性で右乳房の大きこりを主訴に来院した.マンモグラフィでは多形性,微細線状石灰化がびまん性にみられ,針生検でDCISと診断された.術中のセンチネルリンパ節生検で転移を認めず,単純乳房切除術を施行した.病理組織診断ではほとんどの細胞がアポクリン細胞の特徴を呈し,乳管外に浸潤する病変を認めずComedo型のADCISと診断された.免疫組織学的にはGCDFP-15, Ki-67, HER-2が陽性,エストロゲン,プロゲステロン,アンドロゲンレセプターは全て陰性であった.文献上ADCISはホルモンレセプター発現を含む生物学的性質が通常のDCISとは異なることが報告されており,組織学的分類上の位置付けを明確にする必要があると考えられた.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.67.592