後腹膜嚢胞の1例
症例は65歳,男性. 2001年10月下旬より右中下腹部に腫瘤を自覚した.その後,腫瘤増大傾向を認め,手術目的に入院した.右下腹部にかけて,小児頭大の弾性軟,非拍動性,非可動性の腫瘤を触知した.血液検査値は基準範囲内であった.腹部CTおよびMRIの画像所見では,右下腹部後腹膜腔に内部均一な径約12cm大の嚢胞性腫瘤を認めた.後腹膜嚢胞の診断で, 2002年2月7日開腹下に嚢胞摘出術を施行した.摘出標本の重量は約900g,周径は約37cmであった.嚢胞壁は厚く,内容液は淡黄色,漿液性であった.病理組織所見では嚢胞壁,内容液に悪性所見はなかった. Elastica Van Gieson染色で,静脈...
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| Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 64; no. 2; pp. 484 - 488 |
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| Main Authors | , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本臨床外科学会
25.02.2003
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| Subjects | |
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| ISSN | 1345-2843 1882-5133 |
| DOI | 10.3919/jjsa.64.484 |
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| Summary: | 症例は65歳,男性. 2001年10月下旬より右中下腹部に腫瘤を自覚した.その後,腫瘤増大傾向を認め,手術目的に入院した.右下腹部にかけて,小児頭大の弾性軟,非拍動性,非可動性の腫瘤を触知した.血液検査値は基準範囲内であった.腹部CTおよびMRIの画像所見では,右下腹部後腹膜腔に内部均一な径約12cm大の嚢胞性腫瘤を認めた.後腹膜嚢胞の診断で, 2002年2月7日開腹下に嚢胞摘出術を施行した.摘出標本の重量は約900g,周径は約37cmであった.嚢胞壁は厚く,内容液は淡黄色,漿液性であった.病理組織所見では嚢胞壁,内容液に悪性所見はなかった. Elastica Van Gieson染色で,静脈由来の後腹膜単胞性嚢胞と診断した.術後第13病日に軽快退院し,再発はみられていない.静脈由来の後腹膜嚢胞は稀であり,若干の文献的考察を加えて報告する. |
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| ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
| DOI: | 10.3919/jjsa.64.484 |