マクロCPK type 1を認めた原発性特発性甲状腺機能低下症の1例

症例は58歳,女性.主訴は労作時の息切れ.外来で胸部X線写真上の心胸郭比の増大,筋原性酵素の上昇を指摘され精査目的にて入院.甲状腺機能検査で低下症があり,マイクロソームおよびサイロイドテスト陰性, TBII低値,甲状腺腫脹を認めず原発性特発性甲状腺機能低下症と診断.一方, CPKアイソザイム分析でマクロCPKが疑われ薄層ゲル〓過法でマクロCPKの存在が確かめられた.また酵素免疫固定法によりCPK結合免疫グロブリンの存在が確かめられ, IgA-λであった.以上によりマクロCPK type 1と診断した.甲状腺ホルモン補充療法により諸数値は改善し,マクロCPKも認められなくなった.甲状腺機能低下症...

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Published in日本内科学会雑誌 Vol. 82; no. 6; pp. 907 - 908
Main Authors 東, 直樹, 上條, 桂一, 増川, 丈児, 木下, 博, 谷内, 昭, 吉田, 博清, 方波見, 重雄, 小玉, 俊典, 田巻, 知宏
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本内科学会 1993
Subjects
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ISSN0021-5384
1883-2083
DOI10.2169/naika.82.907

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Summary:症例は58歳,女性.主訴は労作時の息切れ.外来で胸部X線写真上の心胸郭比の増大,筋原性酵素の上昇を指摘され精査目的にて入院.甲状腺機能検査で低下症があり,マイクロソームおよびサイロイドテスト陰性, TBII低値,甲状腺腫脹を認めず原発性特発性甲状腺機能低下症と診断.一方, CPKアイソザイム分析でマクロCPKが疑われ薄層ゲル〓過法でマクロCPKの存在が確かめられた.また酵素免疫固定法によりCPK結合免疫グロブリンの存在が確かめられ, IgA-λであった.以上によりマクロCPK type 1と診断した.甲状腺ホルモン補充療法により諸数値は改善し,マクロCPKも認められなくなった.甲状腺機能低下症におけるマクロCPK出現の報告は極めてまれであり,貴重な症例と考え報告する.
ISSN:0021-5384
1883-2083
DOI:10.2169/naika.82.907