腹腔鏡下手術後に発生したポート部Richter's herniaの3例

腹腔鏡下手術後に発生したRichter's hernia 3例を経験した. 3例とも術後1週間以内に,嘔気,嘔吐,腹痛の症状にて発症した.腹部X線写真では,鏡面像を認め,また腹部超音波検査では,腸管が腹壁に嵌入している所見を認め, Richter's herniaと診断し手術を施行した.発生部位は初回手術時のポート挿入部であり,小腸が腹壁に嵌入していた. 1例は腸管壊死を起こしていたため,小腸切除に至ったが,他の2例は,イレウス解除術にて終了した.全例術後順調に経過し退院となった. 3例とも初回手術時に10mmのポートを使用し,挿入部の腹膜の縫合が行われていなかったことが原...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 62; no. 2; pp. 551 - 554
Main Authors 桜井, 聖一郎, 山崎, 弘資, 笹嶋, 唯博, 杉本, 泰一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 25.02.2001
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.62.551

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Summary:腹腔鏡下手術後に発生したRichter's hernia 3例を経験した. 3例とも術後1週間以内に,嘔気,嘔吐,腹痛の症状にて発症した.腹部X線写真では,鏡面像を認め,また腹部超音波検査では,腸管が腹壁に嵌入している所見を認め, Richter's herniaと診断し手術を施行した.発生部位は初回手術時のポート挿入部であり,小腸が腹壁に嵌入していた. 1例は腸管壊死を起こしていたため,小腸切除に至ったが,他の2例は,イレウス解除術にて終了した.全例術後順調に経過し退院となった. 3例とも初回手術時に10mmのポートを使用し,挿入部の腹膜の縫合が行われていなかったことが原因と考えられ, 10mm以上のポートを使用した際には,腹膜の縫合が必須であると考えられた.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.62.551