著しい臥位高血圧,血圧変動がposterior reversible encephalopathy syndrome(PRES)発症に関与したと考えられる進行期パーキンソン病の1例

症例は77歳の男性である.経過約10年のパーキンソン病で,Hoehn-Yahr重症度分類IVの状態であった.意識レベルの低下を主訴に来院し,頭痛と視野障害の病歴,著明な高血圧,頭部MRIにて両側後頭葉に異常高信号がみられ,posterior reversible encephalopathy syndrome(PRES)と診断した.精査にて著しい夜間高血圧と起立性低血圧を認めた.臥位高血圧および血圧変動によりPRESが発症し,悪性症候群を合併してPRESが増悪したと推定した.さらにイストラデフィリンの影響も否定できない.本例は,昇圧剤の内服なくPRESを発症したパーキンソン病の初めての報告であ...

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Published in臨床神経学 Vol. 56; no. 11; pp. 754 - 758
Main Authors 両角, 佐織, 長谷川, 康博, 加藤, 重典, 安井, 敬三
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経学会 2016
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ISSN0009-918X
1882-0654
DOI10.5692/clinicalneurol.cn-000907

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Summary:症例は77歳の男性である.経過約10年のパーキンソン病で,Hoehn-Yahr重症度分類IVの状態であった.意識レベルの低下を主訴に来院し,頭痛と視野障害の病歴,著明な高血圧,頭部MRIにて両側後頭葉に異常高信号がみられ,posterior reversible encephalopathy syndrome(PRES)と診断した.精査にて著しい夜間高血圧と起立性低血圧を認めた.臥位高血圧および血圧変動によりPRESが発症し,悪性症候群を合併してPRESが増悪したと推定した.さらにイストラデフィリンの影響も否定できない.本例は,昇圧剤の内服なくPRESを発症したパーキンソン病の初めての報告である.
ISSN:0009-918X
1882-0654
DOI:10.5692/clinicalneurol.cn-000907