高度肥満患者に対する腹腔鏡下調節性胃バンディング術後の体重減少と併存疾患改善効果
はじめに: 我々が我が国に導入した腹腔鏡下調節性胃バンディング術 (laparoscopic adjustable gastric banding; 以下, LAGB) の体重減少効果と肥満関連健康障害に対する改善効果について検討したので報告する. 方法: 2005年8月からの2年間に21例の内科治療無効の肥満症例にLAGBを施行した. 平均年齢38歳, BMI 44kg/m2であり, 肥満関連健康障害を平均3.1疾患有していた. LAGBは全例, Pars flaccida法で行い, バンドの逸脱予防のために胃-胃縫合を3~5針行った. 結果 LAGBの周術期に1例も合併症を認めず, 術後の...
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Published in | 日本消化器外科学会雑誌 Vol. 41; no. 6; pp. 599 - 604 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本消化器外科学会
01.06.2008
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ISSN | 0386-9768 1348-9372 |
DOI | 10.5833/jjgs.41.599 |
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Summary: | はじめに: 我々が我が国に導入した腹腔鏡下調節性胃バンディング術 (laparoscopic adjustable gastric banding; 以下, LAGB) の体重減少効果と肥満関連健康障害に対する改善効果について検討したので報告する. 方法: 2005年8月からの2年間に21例の内科治療無効の肥満症例にLAGBを施行した. 平均年齢38歳, BMI 44kg/m2であり, 肥満関連健康障害を平均3.1疾患有していた. LAGBは全例, Pars flaccida法で行い, バンドの逸脱予防のために胃-胃縫合を3~5針行った. 結果 LAGBの周術期に1例も合併症を認めず, 術後の平均在院期間は平均3.4日であった. LAGB後の平均体重減少は12か月25kg, 18か月29kgであり, 過剰体重減少率は12か月41%, 18か月49%であった. 良好な体重減少により, 高血圧91%, 高脂血症94%, 糖尿病100%と高率に改善した. 考察: LAGBは安全性と有効性を兼ね備えた術式であり, 今後我が国においても普及していくものと思われた. |
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ISSN: | 0386-9768 1348-9372 |
DOI: | 10.5833/jjgs.41.599 |