セメント硬化体組織構造の温度依存性に基づく熱力学連成解析の高度化

温度履歴によるセメント水和生成物の物理的性状変化を, 熱力学連成解析における材料パラメータを変化させることで考慮し, 断熱試験および常温封緘試験における水和特性, 細孔空隙構造, 内部相対湿度変化に与える温度履歴の影響について, 系統的な感度解析を行った. その結果, 高温環境下では, 水和生成物がセメント粒子近傍に密に析出すること, および水和物析出可能空間が微細空隙へ拡大することの両者を共に考慮することで, 様々な養生温度履歴と広範囲の水セメント比配合に対して, セメントの水和反応と硬化体形成の過程を高精度に予測できることを示した. 特に, 高温度履歴を受ける場合と低水セメント比配合のコン...

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Published in土木学会論文集 Vol. 2005; no. 802; pp. 802_61 - 802_78
Main Authors 石田, 哲也, 半井, 健一郎, 岸, 利治, 前川, 宏一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 土木学会 2005
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ISSN0289-7806
1882-7187
DOI10.2208/jscej.2005.802_61

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Summary:温度履歴によるセメント水和生成物の物理的性状変化を, 熱力学連成解析における材料パラメータを変化させることで考慮し, 断熱試験および常温封緘試験における水和特性, 細孔空隙構造, 内部相対湿度変化に与える温度履歴の影響について, 系統的な感度解析を行った. その結果, 高温環境下では, 水和生成物がセメント粒子近傍に密に析出すること, および水和物析出可能空間が微細空隙へ拡大することの両者を共に考慮することで, 様々な養生温度履歴と広範囲の水セメント比配合に対して, セメントの水和反応と硬化体形成の過程を高精度に予測できることを示した. 特に, 高温度履歴を受ける場合と低水セメント比配合のコンクリートに対し, 従来解析モデルの高精度化が図られた.
ISSN:0289-7806
1882-7187
DOI:10.2208/jscej.2005.802_61