慢性肝疾患における二次性骨減少症に関する研究

C型慢性肝炎(CH) 54例,肝硬変(LC) 98例と年齢・性をmatchさせた健常人(N)48例に対し,dual energy X-ray absorptiometry (DXA法)にて骨塩量を測定し,慢性肝疾患における骨減少症の病態を検討した. 腰椎骨塩量の%age-matched bone mineral density (%BMD) 90%以下を骨減少症とすると,N 2.1%に比しCHでは11.1%, LCでは28.4%と骨減少症の頻度は有意に高率であった.CHとLCの骨減少症の頻度は,全身%BMDで分析すると差がないのに対し,海綿骨を多く含む腰椎%BMDではCHに比しLCでの頻度が大...

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Published in肝臓 Vol. 36; no. 2; pp. 67 - 75
Main Authors 志水, 洋二, 石上, 佳孝, 佐藤, 智信, 神田, 勤, 安丸, 正一, 中野, 厚, 宮本, 岳, 村田, 浩昭
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本肝臓学会 1995
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ISSN0451-4203
1881-3593
DOI10.2957/kanzo.36.67

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Summary:C型慢性肝炎(CH) 54例,肝硬変(LC) 98例と年齢・性をmatchさせた健常人(N)48例に対し,dual energy X-ray absorptiometry (DXA法)にて骨塩量を測定し,慢性肝疾患における骨減少症の病態を検討した. 腰椎骨塩量の%age-matched bone mineral density (%BMD) 90%以下を骨減少症とすると,N 2.1%に比しCHでは11.1%, LCでは28.4%と骨減少症の頻度は有意に高率であった.CHとLCの骨減少症の頻度は,全身%BMDで分析すると差がないのに対し,海綿骨を多く含む腰椎%BMDではCHに比しLCでの頻度が大であり,また骨減少症を合併した慢性肝疾患では非合併群に比し,尿Ca/Cr比や血清骨型ALPが有意な高値を示したことより,肝硬変への移行とともに,高回転型で海綿骨減少優位の骨代謝障害が併発すると思われた. 骨減少症を合併した肝硬変では肝機能低下と血漿1α, 25-dihydroxyvitamin D低値が二次性(肝性)骨減少症に関与しており,骨代謝パラメーターでみると骨吸収優位で,ホメオスターシスが破綻していた.
ISSN:0451-4203
1881-3593
DOI:10.2957/kanzo.36.67