間質性肺疾患の単球・マクロファージの動態と活性化

間質性肺疾患,とくにサルコイドーシス(サ症)における肺胞マクロファージ(AMφ)および末梢血単球機能について検討した.サ症患者では骨髄,末梢血ともに単球絶対数が増加しており,貪食能,走化能は低下が,ライソゾーム酵素活性,スーパーオキサイド産性能,血清アンギオテンシン変換酵素活性(ACE),血清リゾチーム活性は亢進が認められた.腫瘍細胞障害性, Interleukin-1 (IL-1)産生能については健常者と差がなかった.一方,サ症AMφでは,走化能,貪食能, BALF中ACE活性, Fibro-nectin量の亢進および増加が認められ,逆にライソゾーム酵素活性は低下していた.表面マーカーではC...

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Published in日本臨床免疫学会会誌 Vol. 12; no. 5; pp. 537 - 543
Main Authors 片岡, 幹男, 中田, 安成
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床免疫学会 1989
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ISSN0911-4300
1349-7413
DOI10.2177/jsci.12.537

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Summary:間質性肺疾患,とくにサルコイドーシス(サ症)における肺胞マクロファージ(AMφ)および末梢血単球機能について検討した.サ症患者では骨髄,末梢血ともに単球絶対数が増加しており,貪食能,走化能は低下が,ライソゾーム酵素活性,スーパーオキサイド産性能,血清アンギオテンシン変換酵素活性(ACE),血清リゾチーム活性は亢進が認められた.腫瘍細胞障害性, Interleukin-1 (IL-1)産生能については健常者と差がなかった.一方,サ症AMφでは,走化能,貪食能, BALF中ACE活性, Fibro-nectin量の亢進および増加が認められ,逆にライソゾーム酵素活性は低下していた.表面マーカーではCD 15(+)細胞の増加が認められた. Propionibacterium acnes刺激によるIL-1産生は亢進していた.サ症においては末梢血単球は骨髄より動員され,さらにAMφとなり,これら細胞は種々のサイトカインにより活性化され,肺において肉芽腫を形成していると老えられた.
ISSN:0911-4300
1349-7413
DOI:10.2177/jsci.12.537