片側肺換気中の低酸素血症の患者側発生要因と動脈血酸素分圧値の術前予測式
片側肺換気(OLV)中の低酸素血症の発生要因について,患者の背景因子から検討した.同一麻酔法で肺切除術を行った93例を対象とした.100%酸素でOLV中に,SpO2が97%以下に低下したのは30例であった.これらの低酸素群は正常群に比し肥満度が高く,術前のPaO2は低かった.% 1秒量はむしろ大きかった.左肺換気時に多く発生した.換気側の肺血流比は有意に小さかった.これらの要因を独立変数とし,変数選択重回帰分析法でOLV中のPaO2の予測式を作成したところ,肺血流比,換気側の違い,肥満度の3要因を用いた回帰式が最も信頼性が高かった.年齢や術前PaO2,肺活量,1秒量などの呼吸機能の影響は少なか...
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Published in | 日本臨床麻酔学会誌 Vol. 23; no. 3; pp. 55 - 61 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床麻酔学会
15.04.2003
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Subjects | |
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ISSN | 0285-4945 1349-9149 |
DOI | 10.2199/jjsca.23.55 |
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Summary: | 片側肺換気(OLV)中の低酸素血症の発生要因について,患者の背景因子から検討した.同一麻酔法で肺切除術を行った93例を対象とした.100%酸素でOLV中に,SpO2が97%以下に低下したのは30例であった.これらの低酸素群は正常群に比し肥満度が高く,術前のPaO2は低かった.% 1秒量はむしろ大きかった.左肺換気時に多く発生した.換気側の肺血流比は有意に小さかった.これらの要因を独立変数とし,変数選択重回帰分析法でOLV中のPaO2の予測式を作成したところ,肺血流比,換気側の違い,肥満度の3要因を用いた回帰式が最も信頼性が高かった.年齢や術前PaO2,肺活量,1秒量などの呼吸機能の影響は少なかった. |
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ISSN: | 0285-4945 1349-9149 |
DOI: | 10.2199/jjsca.23.55 |