急性循環不全に対する緊急PCPS導入後の下肢虚血に対する検討

経皮的心肺補助 (PCPS) は簡便かつ迅速に導入可能であり, 緊急を要する急性循環不全に対する有用性が報告されているが, その緊急性からASOの合併は挿入前に未評価のことが多く, 下肢虚血からMyonephoroticmetabolic syndrome (MNMS) を併発し致命的となった症例も経験している。今回緊急にPCPSを導入した26例の下肢虚血について検討した。合併症としての下肢虚血の頻度は全体の27%, 死亡例では基礎疾患以外の死亡原因の約30%を占めており重要な合併症であることが示唆された。非虚血性心疾患での下肢虚血の合併頻度が7%であるのに対し, 虚血性心疾患では50%と有意...

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Published in人工臓器 Vol. 29; no. 2; pp. 345 - 350
Main Authors 遠藤, 英仁, 井手, 博文, 佐藤, 政弥, 藤木, 達雄, 須藤, 憲一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本人工臓器学会 15.05.2000
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ISSN0300-0818
1883-6097
DOI10.11392/jsao1972.29.345

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Summary:経皮的心肺補助 (PCPS) は簡便かつ迅速に導入可能であり, 緊急を要する急性循環不全に対する有用性が報告されているが, その緊急性からASOの合併は挿入前に未評価のことが多く, 下肢虚血からMyonephoroticmetabolic syndrome (MNMS) を併発し致命的となった症例も経験している。今回緊急にPCPSを導入した26例の下肢虚血について検討した。合併症としての下肢虚血の頻度は全体の27%, 死亡例では基礎疾患以外の死亡原因の約30%を占めており重要な合併症であることが示唆された。非虚血性心疾患での下肢虚血の合併頻度が7%であるのに対し, 虚血性心疾患では50%と有意な関連性を認めた。下肢虚血例での酵素系の検討ではCPKが有意に上昇を認め, 下肢虚血の評価に有用であると思われた。静脈点滴用留置針による下肢送血を行った症例では下肢虚血の理学所見, 血清逸脱酵素の上昇共に認めず, その対処法として有効であった。
ISSN:0300-0818
1883-6097
DOI:10.11392/jsao1972.29.345