骨髄異形成症候群を伴った慢性関節リウマチの1症例

1982年にmyelodysplastic syndrome (MDS)の概念が提唱されて以来,種々の報告がなされ,現在ではclonal diseaseとして考えられている.本症例は, 75歳女性,既往歴,家族歴とも特に問題なく,また,特殊薬剤の使用もなかった. 20年来のRA経過中にMDSを合併した症例であり,過去にMDSとRAの合併は我々の検索した限りでは4例しか報告されておらず,稀な症例といえる.また, RAの死亡原因には,悪性腫瘍,白血病,悪性リンパ腫等も少なくないとされている,しかし,その発生機序は未だ不明である. RAの免疫学的異常が,どの様にMDS(リンパ球系も含めたclonal...

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Published in日本臨床免疫学会会誌 Vol. 15; no. 3; pp. 305 - 309
Main Authors 五十嵐, 俊久, 谷, 賢治, 大久保, 隆男, 松崎, 道男, 松永, 敬一郎, 石ヶ坪, 良明, 藤沢, 信, 白井, 輝, 本村, 茂樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床免疫学会 1992
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ISSN0911-4300
1349-7413
DOI10.2177/jsci.15.305

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Summary:1982年にmyelodysplastic syndrome (MDS)の概念が提唱されて以来,種々の報告がなされ,現在ではclonal diseaseとして考えられている.本症例は, 75歳女性,既往歴,家族歴とも特に問題なく,また,特殊薬剤の使用もなかった. 20年来のRA経過中にMDSを合併した症例であり,過去にMDSとRAの合併は我々の検索した限りでは4例しか報告されておらず,稀な症例といえる.また, RAの死亡原因には,悪性腫瘍,白血病,悪性リンパ腫等も少なくないとされている,しかし,その発生機序は未だ不明である. RAの免疫学的異常が,どの様にMDS(リンパ球系も含めたclonal disease)の発生機序に関与しているかを解明するためにも,今後症例を積み重ね検討することが望まれる.
ISSN:0911-4300
1349-7413
DOI:10.2177/jsci.15.305