Vinblastineで長期寛解を維持している再発anaplastic large cell lymphomaの1例
化学治療の進歩によりanaplastic large cell lymphoma (ALCL) の治療成績は向上しているが, 再発例における治療法は確立されていない.われわれは週1回のvinblastine (VBL) 投与が有効であった再発ALCLの5歳女児例を提示する.患児は初発時stageIIIのALCLと診断され, B細胞性非ポジキンリンパ腫型の短期化学療法を受けたが, 治療終了後1ヵ月で再発した.初発時の化学療法にVBLを加え, 再寛解導入の後, 維持療法として週1回のVBLの投与を行ったところ, 入院治療後2年に及ぶ寛解を維持している.VBLの副作用は注射後の発熱のみであった. A...
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          | Published in | 日本小児血液学会雑誌 Vol. 18; no. 5; pp. 566 - 571 | 
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| Main Authors | , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            特定非営利活動法人 日本小児血液・がん学会
    
        31.10.2004
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| ISSN | 0913-8706 1884-4723  | 
| DOI | 10.11412/jjph1987.18.566 | 
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| Summary: | 化学治療の進歩によりanaplastic large cell lymphoma (ALCL) の治療成績は向上しているが, 再発例における治療法は確立されていない.われわれは週1回のvinblastine (VBL) 投与が有効であった再発ALCLの5歳女児例を提示する.患児は初発時stageIIIのALCLと診断され, B細胞性非ポジキンリンパ腫型の短期化学療法を受けたが, 治療終了後1ヵ月で再発した.初発時の化学療法にVBLを加え, 再寛解導入の後, 維持療法として週1回のVBLの投与を行ったところ, 入院治療後2年に及ぶ寛解を維持している.VBLの副作用は注射後の発熱のみであった. ALCLを含め血液悪性腫瘍の再発後は造血幹細胞移植が行われることが多いが, ALCLは他の血液腫瘍と異なり, VBLによる治療も考慮されるべき1つと考えられる.VBLの有効性や投与期間の評価に関しては今後さらなる臨床的研究が必要である. | 
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| ISSN: | 0913-8706 1884-4723  | 
| DOI: | 10.11412/jjph1987.18.566 |