頭頸部癌における癌化学療法の展望

現在まで頭頸部癌の化学療法はCDDPと5-FUの併用療法が第一選択とされているが,腎毒性軽減を目指してカルボプラチンやネダプラチンが開発され外来化学療法等への有用性が期待される。ドセタキセル(TXT)も頭頸部癌に有効でCDDPと5-FUとの3剤併用では高いCR率が報告され注目されている。現在のevidenceとして,放射線療法に化学療法を同時併用した場合の有用性と,根治治療後の補助化学療法が遠隔転移抑制に有効であることなどが示されている。さらにneoadjuvant chemotherapy(NAC)が奏効した場合の予後が良好であることがevidenceとして証明されつつあるが今後はCDDP+...

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Published in頭頸部外科 Vol. 12; no. 1; pp. 1 - 7
Main Author 藤井, 正人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会 30.06.2002
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ISSN1349-581X
1884-474X
DOI10.5106/jjshns.12.1

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Summary:現在まで頭頸部癌の化学療法はCDDPと5-FUの併用療法が第一選択とされているが,腎毒性軽減を目指してカルボプラチンやネダプラチンが開発され外来化学療法等への有用性が期待される。ドセタキセル(TXT)も頭頸部癌に有効でCDDPと5-FUとの3剤併用では高いCR率が報告され注目されている。現在のevidenceとして,放射線療法に化学療法を同時併用した場合の有用性と,根治治療後の補助化学療法が遠隔転移抑制に有効であることなどが示されている。さらにneoadjuvant chemotherapy(NAC)が奏効した場合の予後が良好であることがevidenceとして証明されつつあるが今後はCDDP+5-FU+TXTの様な奏効率の高いレジメンによりNACの再評価が必要であろう。欧米では大規模比較臨床試験によって頭頸部癌治療のevidenceが検討されている。我が国でもNACや化学療法併用放射線療法に関する比較臨床試験を行い機能温存治療や予後改善に対する治療法を検討する必要がある。
ISSN:1349-581X
1884-474X
DOI:10.5106/jjshns.12.1