ofloxacinの長期投与により再発が防止できたと考えられるC型肝硬変に伴う特発性細菌性腹膜炎の1例

症例は66歳,男性.1982年に食道静脈瘤破裂で当科に入院し,内視鏡的硬化術を施行.その後もC型肝硬変に伴う肝性脳症や腹水のため入退院を繰り返していた.1992年3月と5月に特発性細菌性腹膜炎(SBP)にて入院.1回紹は腹水細菌培養陰性でCZXとDKBにて軽快した.2回目は黄色ブドウ球菌陽性でcefotaximeで軽快せずIMP/CSにて軽快した.同年6月にSBPが再発し入院.腹水中の好中球12,000/μlで細菌培養は陰性だった. IMP/CS長期投与にて7月末には軽快したが,8月初めに再発した.PIPCとCAZの投与で同年9月中旬には軽快した.以後再発を防ぐ目的でofloxacinの長期投...

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Published in肝臓 Vol. 36; no. 2; pp. 91 - 94
Main Authors 朝比奈, 靖浩, 佐藤, 千史, 前川, 伸哉, 田沢, 潤一, 山本, 力, 草野, 史彦, 佐崎, なほ子, 田尻, 和男, 酒井, 義法
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本肝臓学会 1995
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ISSN0451-4203
1881-3593
DOI10.2957/kanzo.36.91

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Summary:症例は66歳,男性.1982年に食道静脈瘤破裂で当科に入院し,内視鏡的硬化術を施行.その後もC型肝硬変に伴う肝性脳症や腹水のため入退院を繰り返していた.1992年3月と5月に特発性細菌性腹膜炎(SBP)にて入院.1回紹は腹水細菌培養陰性でCZXとDKBにて軽快した.2回目は黄色ブドウ球菌陽性でcefotaximeで軽快せずIMP/CSにて軽快した.同年6月にSBPが再発し入院.腹水中の好中球12,000/μlで細菌培養は陰性だった. IMP/CS長期投与にて7月末には軽快したが,8月初めに再発した.PIPCとCAZの投与で同年9月中旬には軽快した.以後再発を防ぐ目的でofloxacinの長期投与を開始したところ,1年9カ月後の今日までSBPの再発はみられていない.C型肝硬変に伴う再発性のSBPに対するofloxacinの有用性が示唆された.
ISSN:0451-4203
1881-3593
DOI:10.2957/kanzo.36.91