大動脈弁原発の乳頭状弾性線維腫の2手術例
心臓原発の乳頭状弾性線維腫(papillary fibroelastoma: PFE)は比較的希な腫瘍であり,心エコーなどで偶然発見されることが多い.今回,検診で精査をすすめられ,心エコーを施行したところ発見された,大動脈弁原発のPFEを2例経験した.症例1は56歳,男性.1998年の検診で高脂血症を指摘され精査目的に当院受診.心エコーで大動脈弁に疣贅様の腫瘤を認めた.自覚症状はないものの,塞栓予防および確定診断のため手術適応とした.腫瘍は大動脈弁右冠尖に存在し,大動脈弁を傷つけることなく摘出しえた.症例2は75歳,女性.1999年の検診で心雑音を指摘され,近医受診.心エコーで大動脈弁に腫瘍を...
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Published in | 日本心臓血管外科学会雑誌 Vol. 31; no. 1; pp. 65 - 67 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会
15.01.2002
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Subjects | |
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ISSN | 0285-1474 1883-4108 |
DOI | 10.4326/jjcvs.31.65 |
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Summary: | 心臓原発の乳頭状弾性線維腫(papillary fibroelastoma: PFE)は比較的希な腫瘍であり,心エコーなどで偶然発見されることが多い.今回,検診で精査をすすめられ,心エコーを施行したところ発見された,大動脈弁原発のPFEを2例経験した.症例1は56歳,男性.1998年の検診で高脂血症を指摘され精査目的に当院受診.心エコーで大動脈弁に疣贅様の腫瘤を認めた.自覚症状はないものの,塞栓予防および確定診断のため手術適応とした.腫瘍は大動脈弁右冠尖に存在し,大動脈弁を傷つけることなく摘出しえた.症例2は75歳,女性.1999年の検診で心雑音を指摘され,近医受診.心エコーで大動脈弁に腫瘍を認め,手術目的に当院紹介された.腫瘍は大動脈弁無冠尖に存在し,腫瘍切除術を施行した.いずれも病理組織学的にはPFEであった. |
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ISSN: | 0285-1474 1883-4108 |
DOI: | 10.4326/jjcvs.31.65 |