気泡型肺と膜型肺とにおける体外循環中の好中球機能および肺の組織学的検討
体外循環後のpost perfusion syndromeの成因として肺微少循環系に集積した白血球や補体の活性が関与するとの報告がある。今日我々は、気泡型及び膜型人工肺とにおいて、好中球機能と補体活性及び肺への好中球集積を比較検討する目的で、気泡型人工肺を使用した体外循環下開心術10例(B群)と、膜型人工肺を使用した体外循環下開心術20例(M群)に、好中球数、活性酸素産生能、好中球粘着能、活性化補体C3a, C5aを測定し、また、体外循環前後の肺組織の好中球集積の程度をM群10例、B群5例に比較し以下の結果を得た。 1. B群の方が、体外循環中好中球数及び活性酸素産生能が高く、C3aの増加率も...
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Published in | 人工臓器 Vol. 18; no. 2; pp. 987 - 990 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本人工臓器学会
1989
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ISSN | 0300-0818 1883-6097 |
DOI | 10.11392/jsao1972.18.987 |
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Summary: | 体外循環後のpost perfusion syndromeの成因として肺微少循環系に集積した白血球や補体の活性が関与するとの報告がある。今日我々は、気泡型及び膜型人工肺とにおいて、好中球機能と補体活性及び肺への好中球集積を比較検討する目的で、気泡型人工肺を使用した体外循環下開心術10例(B群)と、膜型人工肺を使用した体外循環下開心術20例(M群)に、好中球数、活性酸素産生能、好中球粘着能、活性化補体C3a, C5aを測定し、また、体外循環前後の肺組織の好中球集積の程度をM群10例、B群5例に比較し以下の結果を得た。 1. B群の方が、体外循環中好中球数及び活性酸素産生能が高く、C3aの増加率も高かった。 2. B群の方が、肺組織への好中球集積の程度が高かった。この事より、好中球及び活性化補体からみて膜型人工肺の方が、生体にとってより生理的であると考えられた。 |
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ISSN: | 0300-0818 1883-6097 |
DOI: | 10.11392/jsao1972.18.987 |