血圧低下を伴わないエンフルレンによる適切な麻酔深度の維持

エンフルレン麻酔において,十分な麻酔深度を得,かつ,著明な血圧低下を防ぐ方法を比較検討した.予定手術患者71名をI~IVの4群に分けた.I群ではエンフルレン吸入濃度を2%に維持し,II群では収縮期血圧80mm Hg以上を保つようにエンフルレン吸入濃度を低下させた.III群では吸入濃度を2%に維持して,トレンデレンブルグ位および急速輸液,IV群では同条件下で,ドパミン(5μg/kg/分)を持続投与した.その結果,IV群ではI, III群に比べて,血圧下降度が少なく,低血圧持続時間が短かった.また不整脈の発生も認められなかった.II群では手術,その他の侵襲で多くに体動が認められた.以上より,低濃度...

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Published in日本臨床麻酔学会誌 Vol. 11; no. 1; pp. 75 - 80
Main Authors 宮沢, 典子, 安田, 誠一, 日山, 敦子, 重松, 俊之, 小林, 佳朗
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床麻酔学会 1991
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ISSN0285-4945
1349-9149
DOI10.2199/jjsca.11.75

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Summary:エンフルレン麻酔において,十分な麻酔深度を得,かつ,著明な血圧低下を防ぐ方法を比較検討した.予定手術患者71名をI~IVの4群に分けた.I群ではエンフルレン吸入濃度を2%に維持し,II群では収縮期血圧80mm Hg以上を保つようにエンフルレン吸入濃度を低下させた.III群では吸入濃度を2%に維持して,トレンデレンブルグ位および急速輸液,IV群では同条件下で,ドパミン(5μg/kg/分)を持続投与した.その結果,IV群ではI, III群に比べて,血圧下降度が少なく,低血圧持続時間が短かった.また不整脈の発生も認められなかった.II群では手術,その他の侵襲で多くに体動が認められた.以上より,低濃度ドパミン持続投与による方法は有用と考えられた.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.11.75