人工弁置換術後の感染性心内膜炎11例の経験と再弁置換術の適応について

最近の11年間に11例のPVEを経験した。早期発症5例、遠隔期発症6例であった6弁置換部位では大動脈弁5例、僧帽弁4例、右心系弁膜2例で、起炎菌としては早期では表皮ブ菌とグラム陰性菌が検出された。治療成績では表皮ブ菌の5例中2例とグラム陰性菌の2例がPVEのため死亡した。連鎖球菌の3例中1例は再弁置換術後新たな感染で失った。早期5例中4例に内科治療を行い表皮ブ菌の1例とグラム陰性菌の2例を失った。再弁置換を行った1例に遺残心内膜炎から再度leakageを生じた。遠隔期6例では2例に内科治療を行い表皮ブ菌の1例を塞栓症で失ったが、連鎖球菌の1例は救命できた。再弁置換を行った4例では3例が生存した...

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Published in人工臓器 Vol. 16; no. 1; pp. 319 - 321
Main Authors 赤川, 治夫, 大石, 喜六, 小須, 賀健一, 青柳, 成明, 久冨, 光一, 古賀, 道弘, 柳, 泉, 島弘, 志, 原, 洋
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本人工臓器学会 1987
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ISSN0300-0818
1883-6097
DOI10.11392/jsao1972.16.319

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Summary:最近の11年間に11例のPVEを経験した。早期発症5例、遠隔期発症6例であった6弁置換部位では大動脈弁5例、僧帽弁4例、右心系弁膜2例で、起炎菌としては早期では表皮ブ菌とグラム陰性菌が検出された。治療成績では表皮ブ菌の5例中2例とグラム陰性菌の2例がPVEのため死亡した。連鎖球菌の3例中1例は再弁置換術後新たな感染で失った。早期5例中4例に内科治療を行い表皮ブ菌の1例とグラム陰性菌の2例を失った。再弁置換を行った1例に遺残心内膜炎から再度leakageを生じた。遠隔期6例では2例に内科治療を行い表皮ブ菌の1例を塞栓症で失ったが、連鎖球菌の1例は救命できた。再弁置換を行った4例では3例が生存した。結局、早期5例では3例が、遠隔期6例では2例が死亡した。 PVEの治療では、合併症のない連鎖球菌によるPVE以外では早期に再弁置換術を考慮すべきである。
ISSN:0300-0818
1883-6097
DOI:10.11392/jsao1972.16.319