初回手術後35年目に上腹部皮下に転移した甲状腺乳頭癌の1例

甲状腺乳頭癌初回手術後35年目に上腹部皮下に単発の転移性腫瘍をきたした1例を経験したので報告する.症例は73歳の女性.甲状腺乳頭癌で35年前に甲状腺全摘術および頸部リンパ節郭清術が行われた.上腹部皮下の腫瘍は15×15mm大で,比較的軟らかく,可動性良好であった.穿刺吸引細胞診ではclass V,甲状腺乳頭癌からの転移が疑われた.頸部リンパ節,骨,肺転移を認めなかったため,腫瘍が摘出された.低分化の甲状腺乳頭癌であり,サイログロブリンの免疫染色にて陽性所見であった.甲状腺乳頭癌の血行性遠隔転移は舌,皮膚,脳などの報告が散見されるが,稀であり,本症例も血行性転移が推測された....

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 65; no. 1; pp. 38 - 41
Main Authors 春日, 好雄, 伊藤, 勅子, 熊木, 俊成, 小林, 基弘, 青木, 孝學, 清水, 明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 25.01.2004
Subjects
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.65.38

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Summary:甲状腺乳頭癌初回手術後35年目に上腹部皮下に単発の転移性腫瘍をきたした1例を経験したので報告する.症例は73歳の女性.甲状腺乳頭癌で35年前に甲状腺全摘術および頸部リンパ節郭清術が行われた.上腹部皮下の腫瘍は15×15mm大で,比較的軟らかく,可動性良好であった.穿刺吸引細胞診ではclass V,甲状腺乳頭癌からの転移が疑われた.頸部リンパ節,骨,肺転移を認めなかったため,腫瘍が摘出された.低分化の甲状腺乳頭癌であり,サイログロブリンの免疫染色にて陽性所見であった.甲状腺乳頭癌の血行性遠隔転移は舌,皮膚,脳などの報告が散見されるが,稀であり,本症例も血行性転移が推測された.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.65.38