第12回心臓性急死研究会 心室細動の予防にメキシレチンが有効であると思われた特発性心室細動症候群の1例

症例は65歳,男性.平成10年12月朝,安静時に意識消失発作出現.救急車内の心電図モニターにて心室細動(VF)確認され直流除細動施行された.入院後に施行された心エコー検査,左室造影・冠動脈造影・アセチルコリン負荷にては明らかな異常を認めなかった.心臓電気生理検査では右室心尖部・流出路間の有効不応期(ERP)の差が70msecであり右室心尖部からのプログラム刺激にてVFが誘発された.アミオダロン経口投与下に施行した心臓電気生理検査では右室各部位のERPは延長しVFは誘発されず.平成11年3月朝,再び安静時に意識消失発作出現,家人のCRP下に救急車にて当科搬入となった.VFが確認され直流除細動にて...

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Published in心臓 Vol. 32; no. Supplement5; pp. 102 - 108
Main Authors 永原, 大五, 鳥井, 孝明, 土橋, 和文, 西野, 康宏, 国分, 宣明, 宮本, 憲次郎, 菊地, 由佳, 鵜野, 起久也, 下重, 晋也, 島本, 和明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 2000
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo1969.32.Supplement5_102

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Summary:症例は65歳,男性.平成10年12月朝,安静時に意識消失発作出現.救急車内の心電図モニターにて心室細動(VF)確認され直流除細動施行された.入院後に施行された心エコー検査,左室造影・冠動脈造影・アセチルコリン負荷にては明らかな異常を認めなかった.心臓電気生理検査では右室心尖部・流出路間の有効不応期(ERP)の差が70msecであり右室心尖部からのプログラム刺激にてVFが誘発された.アミオダロン経口投与下に施行した心臓電気生理検査では右室各部位のERPは延長しVFは誘発されず.平成11年3月朝,再び安静時に意識消失発作出現,家人のCRP下に救急車にて当科搬入となった.VFが確認され直流除細動にて心拍再開するも心室性期外収縮(PVC)多発し再びVF出現.その後のメキシレチンの投与によりPVC消失し以後VFの出現は認めなかった.植え込み型除細動器およびメキシレチンの経口投与にて現在経過観察中である.本症例におけるVF発作は冬季の朝安静時に出現し,MXT投与によりVFのtriggerを抑制した可能性のある興味深い一例と考えられた.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo1969.32.Supplement5_102