発症前の頭部MRI変化を捉えたV180IとM232R変異Creutzfeldt–Jakob病の1例

症例は81歳男性.頭部MRI拡散強調画像で大脳皮質の一部に点状の高信号を認め徐々に拡大した.半年後,認知機能低下が出現した.頭部MRI,脳脊髄液検査の結果からCreutzfeldt–Jakob病(CJD)を考えた.プリオン蛋白遺伝子(PRNP)にV180I変異およびM232R変異の複合ヘテロ接合性変異を認め遺伝性CJDと診断した.V180I変異とM232R変異の複合ヘテロ接合性変異は孤発性CJDと比較して高齢発症,緩徐進行性,周期性同期性放電が低頻度といった特徴を持つ.本例は発症前よりCJDの頭部画像変化を捉えることができた.CJDの新規治療法開発において本症例のような発症前CJDの存在は重要...

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Published in臨床神経学 Vol. 65; no. 2; pp. 125 - 131
Main Authors 小川, 将司, 中村, 善胤, 荒若, 繁樹, 佐藤, 克也, 北本, 哲之, 三浦, 恭太朗
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経学会 2025
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ISSN0009-918X
1882-0654
DOI10.5692/clinicalneurol.cn-002025

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Summary:症例は81歳男性.頭部MRI拡散強調画像で大脳皮質の一部に点状の高信号を認め徐々に拡大した.半年後,認知機能低下が出現した.頭部MRI,脳脊髄液検査の結果からCreutzfeldt–Jakob病(CJD)を考えた.プリオン蛋白遺伝子(PRNP)にV180I変異およびM232R変異の複合ヘテロ接合性変異を認め遺伝性CJDと診断した.V180I変異とM232R変異の複合ヘテロ接合性変異は孤発性CJDと比較して高齢発症,緩徐進行性,周期性同期性放電が低頻度といった特徴を持つ.本例は発症前よりCJDの頭部画像変化を捉えることができた.CJDの新規治療法開発において本症例のような発症前CJDの存在は重要と考えられる.
ISSN:0009-918X
1882-0654
DOI:10.5692/clinicalneurol.cn-002025