第12回臨床不整脈研究会 心房頻回刺激により峡部伝導ブロックが出現した部位をターゲットとしてisthmus ablationを行った1例

心房粗動に対する治療法として下位右房峡部(subeustachian isthmus)を標的とするアブレーションが行われるが,峡部内のどの部位(septal or lateral isthmus?)に焼灼線を作成するのがより効果的であるかを検討した報告はない.今回我々は20極カテーテルにて峡部全体をマッピングしながら左房頻回刺激を行い,峡部内の伝導ブロック部位を決定した後,ブロック部位を標的として通電する方法(ブロック部位通電法)を試みた.ブロック部位は冠静脈洞入口部近傍のseptal isthmusであった.この部位を標的として焼灼線の作成を試みたところ,4回という比較的少ない通電回数により...

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Published in心臓 Vol. 32; no. Supplement6; pp. 133 - 138
Main Authors 鈴木, 文男, 芦川, 英信, 本川, 克彦, 平尾, 見三, 比江嶋, 一昌, 寺井, 知子, 川良, 徳弘, 廣野, 喜之, 堀川, 朋恵
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 2000
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo1969.32.Supplement6_133

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Summary:心房粗動に対する治療法として下位右房峡部(subeustachian isthmus)を標的とするアブレーションが行われるが,峡部内のどの部位(septal or lateral isthmus?)に焼灼線を作成するのがより効果的であるかを検討した報告はない.今回我々は20極カテーテルにて峡部全体をマッピングしながら左房頻回刺激を行い,峡部内の伝導ブロック部位を決定した後,ブロック部位を標的として通電する方法(ブロック部位通電法)を試みた.ブロック部位は冠静脈洞入口部近傍のseptal isthmusであった.この部位を標的として焼灼線の作成を試みたところ,4回という比較的少ない通電回数により峡部ブロックを作成し得た. この結果は" ブロック部位通電法" が有用である可能性を示唆するものと考えられる.本法が真に有用なアブレーション法であり得るか否かについては更なる検討が必要であろう.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo1969.32.Supplement6_133