第11回臨床不整脈研究会 1回の通電にてケント束とslow pathwayが焼灼された非通常型房室結節回帰性頻拍の1例
症例:36歳,女性.数カ月前より労作時の動悸発作が出現するようになり当科受診,安静時心電図にてB型WPW波形を示し,ホルター心電図にて運動中,253/分のwide QRS tachycardiaと200-250/分のnarrow QRS tachycardiaを認めた.電気生理学検査では,心室刺激にて冠静脈洞入口部を最早期とし,減衰伝導特性を示す伝導時間の長い室房伝導を認め,またPara-Hisian pacingにてS-A時間はwide QRS>narrow QRSであった.心室刺激にて比較的容易にlong PR′型のnarrow QRS tachycardiaが誘発され,その際の心房...
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          | Published in | 心臓 Vol. 31; no. Supplement5; pp. 127 - 132 | 
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| Main Authors | , , , , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            公益財団法人 日本心臓財団
    
        1999
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| Subjects | |
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| ISSN | 0586-4488 2186-3016  | 
| DOI | 10.11281/shinzo1969.31.Supplement5_127 | 
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| Summary: | 症例:36歳,女性.数カ月前より労作時の動悸発作が出現するようになり当科受診,安静時心電図にてB型WPW波形を示し,ホルター心電図にて運動中,253/分のwide QRS tachycardiaと200-250/分のnarrow QRS tachycardiaを認めた.電気生理学検査では,心室刺激にて冠静脈洞入口部を最早期とし,減衰伝導特性を示す伝導時間の長い室房伝導を認め,またPara-Hisian pacingにてS-A時間はwide QRS>narrow QRSであった.心室刺激にて比較的容易にlong PR′型のnarrow QRS tachycardiaが誘発され,その際の心房波の心房内興奮順位は心室刺激時と同一であった.以上より本頻拍を非通常型房室結節回帰性頻拍と診断した.心室刺激にて心房最早期興奮部位をマッピング中,洞調律時A-V=50msec, V-delta=20msec,ケント電位を認める部位を認め, 同部位にて25W, 55℃で通電を始したところ,2.9秒でデルタ波が消失し,60秒間通電した.その直後からイソプロテレノール負荷を含めいかなる心室刺激にても室房伝導は認めず,1回の通電にてケント束の順伝導とslow pathwayの逆伝導が焼灼されたものと思われた. | 
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| ISSN: | 0586-4488 2186-3016  | 
| DOI: | 10.11281/shinzo1969.31.Supplement5_127 |