3軸加速度センサーによる姿勢検出アルゴリズムの改良と実用性の検討

ペースメーカ患者の立位-座位の変化が識別出来れば, 循環機能の変化が誘因となる失神発作等の有効な治療手段となりうる. 我々は, 体幹部の3次元加速度ベクトルの絶対値を2回積分して得られる変位から, 座位から立位, またはその逆の姿勢変化の識別を試みてきた. しかし, 連続積分法では, 加速度センサーのドリフト, 体動により発生する遠心力等の影響により誤差が発生し, 実用性が低かった. 本研究では, アルゴリズムをより実用的なものとするため, i) 高域通過フィルターによる重力加速度の除去, ii) 姿勢変化中のみの加速度積分, iii) 姿勢変化時の身体の回転運動による遠心力に対する補正, な...

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Published in人工臓器 Vol. 28; no. 1; pp. 78 - 82
Main Authors 南, 慶一郎, 橋本, 通, 豊島, 健, 藤本, 裕
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本人工臓器学会 15.02.1999
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ISSN0300-0818
1883-6097
DOI10.11392/jsao1972.28.78

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Summary:ペースメーカ患者の立位-座位の変化が識別出来れば, 循環機能の変化が誘因となる失神発作等の有効な治療手段となりうる. 我々は, 体幹部の3次元加速度ベクトルの絶対値を2回積分して得られる変位から, 座位から立位, またはその逆の姿勢変化の識別を試みてきた. しかし, 連続積分法では, 加速度センサーのドリフト, 体動により発生する遠心力等の影響により誤差が発生し, 実用性が低かった. 本研究では, アルゴリズムをより実用的なものとするため, i) 高域通過フィルターによる重力加速度の除去, ii) 姿勢変化中のみの加速度積分, iii) 姿勢変化時の身体の回転運動による遠心力に対する補正, などの改良を試みた. 本アルゴリズムにより, 被験者13人について立位-座位問での姿勢変化時の加速度を記録し, 2回積分により変位を求める方法で, 姿勢変化の判定を行った結果, 姿勢変化総数474回に対して92%の正解率で識別でき, 実用性が高いことが判明した.
ISSN:0300-0818
1883-6097
DOI:10.11392/jsao1972.28.78