超音波スケーリングに関する研究― ポビドンヨード水溶液併用について― (第4報)

0.02%ポビドンヨード水溶液を併用した超音波スケーリングの2回操作の有効性について, 歯周ポケット内微生物の動態から検討した結果, 位相差顕微鏡による歯周ポケット内総微生物数および総微生物に占める運動性微生物の構成率は, 各実験群ともに, instrumentation後1週日に急激な低下を示し, その後は, 所々でやや低下およびやや後戻り傾向を示した。ポビドンヨード併用超音波スケーリング群が他の実験群 (超音波スケーリング単独群およびルートプレーニング群) に比較して, 各実験期間ともに, 総微生物数および運動性微生物の構成率が低い傾向を認めた。また, 培養による歯周ポケット内微生物の観察...

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Published in日本歯周病学会会誌 Vol. 32; no. 4; pp. 1059 - 1067
Main Authors 山岡, 昭, 岡西, 昭典, 小西, 浩二, 寺西, 義浩, 福島, 久典, 尾上, 孝利, 中垣, 直毅, 藤田, 康一, 井上, 純一, 林本, 忠浩, 佐川, 寛典, 上田, 雅俊
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本歯周病学会 1990
日本歯周病学会
Subjects
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ISSN0385-0110
1880-408X
DOI10.2329/perio.32.1059

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Summary:0.02%ポビドンヨード水溶液を併用した超音波スケーリングの2回操作の有効性について, 歯周ポケット内微生物の動態から検討した結果, 位相差顕微鏡による歯周ポケット内総微生物数および総微生物に占める運動性微生物の構成率は, 各実験群ともに, instrumentation後1週日に急激な低下を示し, その後は, 所々でやや低下およびやや後戻り傾向を示した。ポビドンヨード併用超音波スケーリング群が他の実験群 (超音波スケーリング単独群およびルートプレーニング群) に比較して, 各実験期間ともに, 総微生物数および運動性微生物の構成率が低い傾向を認めた。また, 培養による歯周ポケット内微生物の観察における総菌数については, ポビドンヨード併用超音波スケーリング群では経週的に低下傾向を示し, 他の2群では2週日に低下を示したが, その後は, やや後戻り傾向が認められた。黒色色素産生性Bacteroides (BPB) 数および総菌数に占めるBPB数の構成率については, ポビドンヨード併用超音波スケーリング群では2週日に低下を示し, その後は, やや後戻り傾向を認めたが, 他の2群では経週的な変化はわずかであった。
ISSN:0385-0110
1880-408X
DOI:10.2329/perio.32.1059