レクチンによるトランスフェリンの分画とその臨床的意義
肝細胞癌患者血清中トランスフェリン糖鎖構造の癌性変化をレンズ豆レクチンおよびフコシダーゼを用いて検討した. 肝細胞癌血清トランスフェリンではレンズ豆レクチン反応性トランスフェリンの出現・増加が認められた. さらに, 肝細胞癌血清由来レンズ豆レクチン反応性トランスフェリンをフコシダーゼ処理したところレンズ豆レクチン反応性が減少・消失が認められた. 肝細胞癌におけるレンズ豆レクチン反応性トランスフェリンの出現・増加はトランスフェリンのアスパラギン結合複合糖鎖末端のN-acetyl-glucosamine がフコシル化されており, 肝細胞癌では fucosyl-transferase 活性が亢進して...
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          | Published in | 生物物理化学 Vol. 35; no. 3; pp. 193 - 197 | 
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| Main Authors | , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            日本電気泳動学会
    
        1991
     | 
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| ISSN | 0031-9082 1349-9785  | 
| DOI | 10.2198/sbk.35.193 | 
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| Summary: | 肝細胞癌患者血清中トランスフェリン糖鎖構造の癌性変化をレンズ豆レクチンおよびフコシダーゼを用いて検討した. 肝細胞癌血清トランスフェリンではレンズ豆レクチン反応性トランスフェリンの出現・増加が認められた. さらに, 肝細胞癌血清由来レンズ豆レクチン反応性トランスフェリンをフコシダーゼ処理したところレンズ豆レクチン反応性が減少・消失が認められた. 肝細胞癌におけるレンズ豆レクチン反応性トランスフェリンの出現・増加はトランスフェリンのアスパラギン結合複合糖鎖末端のN-acetyl-glucosamine がフコシル化されており, 肝細胞癌では fucosyl-transferase 活性が亢進している可能性が示唆された. | 
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| ISSN: | 0031-9082 1349-9785  | 
| DOI: | 10.2198/sbk.35.193 |