アトピー性皮膚炎患者におけるMalasseziaの菌相とその遺伝子多型の解析

Malasseziaのアトピー性皮膚炎(AD)への関与を明らかにするには,まずAD患者における菌相を明らかにすることが不可欠である.Malasseziaの分離・培養は一般に容易でないことから,正確な菌相を明らかにすることは困難であった.著者らは,分離・培養技術に依存しない非培養法であるPCR-based non-culturable methodを新たに開発し,AD患者および健常人のいずれにおいてもM.globosaが最も高頻度で定着していることを明らかにした.さらに,M.globosaのIGS (intergenic spacer)領域には多型が存在し,AD患者と健常人由来のM.globos...

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Published in日本医真菌学会雑誌 Vol. 44; no. 2; pp. 61 - 64
Main Authors 杉田, 隆, 西川, 朱實
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本医真菌学会 30.04.2003
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ISSN0916-4804
1882-0476
DOI10.3314/jjmm.44.61

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Summary:Malasseziaのアトピー性皮膚炎(AD)への関与を明らかにするには,まずAD患者における菌相を明らかにすることが不可欠である.Malasseziaの分離・培養は一般に容易でないことから,正確な菌相を明らかにすることは困難であった.著者らは,分離・培養技術に依存しない非培養法であるPCR-based non-culturable methodを新たに開発し,AD患者および健常人のいずれにおいてもM.globosaが最も高頻度で定着していることを明らかにした.さらに,M.globosaのIGS (intergenic spacer)領域には多型が存在し,AD患者と健常人由来のM.globosaのIGS配列は異なっていた.従って,ADの増悪には特定の遺伝子型を有するM.globosaが最も重要な役割を演じていると考えられる.
ISSN:0916-4804
1882-0476
DOI:10.3314/jjmm.44.61