カフェイン拘縮テストによる悪性高熱症の予知診断に関する臨床的研究

正常者6人, MH発端者11人を含む121人にカフェイン拘縮テストを行ない以下の結果を得た. (1)MH発端者のCSC値, CSC-H値は正常者のそれらに比して有意な差がみられた. (2)CSC値, CSC-H値の異常低値には血縁関係が強い影響を及ぼした. (3)カフェインおよびハロセンに対する異常感受性は常染色体性優性遺伝様式をとると思われた. (4)ハロセンはカフェイン拘縮に対して増強作用を持つが, CSC値とCSC-H値の間に相関関係はみられず, 両薬剤は骨格筋の異なった部位に作用すると考えられた. (5)カフェイン拘縮テストは, MH素因保持者の予知診断に有用で信頼できる方法である....

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Published in日本臨床麻酔学会誌 Vol. 3; no. 2; pp. 256 - 267
Main Author 奥, 史郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床麻酔学会 1983
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ISSN0285-4945
1349-9149
DOI10.2199/jjsca.3.256

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Summary:正常者6人, MH発端者11人を含む121人にカフェイン拘縮テストを行ない以下の結果を得た. (1)MH発端者のCSC値, CSC-H値は正常者のそれらに比して有意な差がみられた. (2)CSC値, CSC-H値の異常低値には血縁関係が強い影響を及ぼした. (3)カフェインおよびハロセンに対する異常感受性は常染色体性優性遺伝様式をとると思われた. (4)ハロセンはカフェイン拘縮に対して増強作用を持つが, CSC値とCSC-H値の間に相関関係はみられず, 両薬剤は骨格筋の異なった部位に作用すると考えられた. (5)カフェイン拘縮テストは, MH素因保持者の予知診断に有用で信頼できる方法である. (6)予知診断の基準値設定を試みた.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.3.256