洞電位直接記録法による過駆動後の洞房伝導時間の変化についての検討
洞機能正常者14例を対象として洞電位直接記録法を用い, 過駆動 (overdrive) 後の洞房伝導時間 (SACT) の変化について検討した.さらに, 洞結節自動能と洞房伝導能との関連についても検討した.過駆動後にはSACTは有意に延長した (63.6±7.4mseGから112.7±61.8msec: p<0.01) .基本洞周期長 (BCL) と洞調律時のSACTとの間には正の相関が認められた (Y=26.8+0.04X, r=0.61: p<0.05) .洞調律時のSACTと過駆動後のSACTの延長率との間には負の相関が認められた (Y=910-12.9X, r=-0.71:...
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| Published in | 心電図 Vol. 12; no. 3; pp. 292 - 298 |
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| Main Authors | , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
一般社団法人 日本不整脈心電学会
1992
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| ISSN | 0285-1660 1884-2437 |
| DOI | 10.5105/jse.12.292 |
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| Summary: | 洞機能正常者14例を対象として洞電位直接記録法を用い, 過駆動 (overdrive) 後の洞房伝導時間 (SACT) の変化について検討した.さらに, 洞結節自動能と洞房伝導能との関連についても検討した.過駆動後にはSACTは有意に延長した (63.6±7.4mseGから112.7±61.8msec: p<0.01) .基本洞周期長 (BCL) と洞調律時のSACTとの間には正の相関が認められた (Y=26.8+0.04X, r=0.61: p<0.05) .洞調律時のSACTと過駆動後のSACTの延長率との間には負の相関が認められた (Y=910-12.9X, r=-0.71: p<0.01) .洞結節回復時間 (SNRT) および修正洞結節回復時間 (CSNRT) と洞調律時あるいは過駆動後のSACTとの間には相関は認められなかった. 以上より, (1) 過駆動刺激により洞房伝導が抑制されること, (2) 洞調律時のSACTとBOLとの間には相関があるが, 過駆動後においては洞結節自動能と洞房伝導の間に関連がないこと, (3) 洞調律時のSACTが過駆動後のSACTの変化率に影響を及ぼすことが確認された. |
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| ISSN: | 0285-1660 1884-2437 |
| DOI: | 10.5105/jse.12.292 |