第17回 心臓性急死研究会 突然死した若年QT延長症候群の1症例

症例は13歳,女性.1999年検診時に心電図にてQT延長を指摘され,近医を受診した.心電図上QTc O.53秒と延長しQT延長症候群と診断された.症状がないことから経過観察となり,以後年1回経時的に心電図を施行するも変化は認められていなかった.2004年8月3日朝,電車に乗車中,気分不快を訴えた後意識消失.発症より4分後,救急隊到着時には心肺停止状態であった.心肺蘇生術を施行しつっ当院搬送となった.人工呼吸器管理下に強心剤・昇圧剤などの薬物療法,閉胸式心臓マッサージを行うも心拍再開みられなかった.体外式一時ペースメーカ,IABP,PCPSを挿入し加療を行った.1時間後に心拍再開みられるも意識状...

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Published in心臓 Vol. 37; no. Supplement3; pp. 86 - 91
Main Authors 高澤, 謙二, 吉田, 雅伸, 内山, 隆史, 池田, 寿昭, 生天目, 安英, 山科, 章, 高橋, 英治, 小林, 裕, 荒田, 宙, 吉田, 充里
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 2005
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo1969.37.Supplement3_86

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Summary:症例は13歳,女性.1999年検診時に心電図にてQT延長を指摘され,近医を受診した.心電図上QTc O.53秒と延長しQT延長症候群と診断された.症状がないことから経過観察となり,以後年1回経時的に心電図を施行するも変化は認められていなかった.2004年8月3日朝,電車に乗車中,気分不快を訴えた後意識消失.発症より4分後,救急隊到着時には心肺停止状態であった.心肺蘇生術を施行しつっ当院搬送となった.人工呼吸器管理下に強心剤・昇圧剤などの薬物療法,閉胸式心臓マッサージを行うも心拍再開みられなかった.体外式一時ペースメーカ,IABP,PCPSを挿入し加療を行った.1時間後に心拍再開みられるも意識状態改善せず,血圧も保つことができずに死亡確認となった. 今回,初回発作にて突然死したQT延長症候群の症例を経験した.若年QT延長症候群の初回失神発作の心停止は約9%にみられるとの報告もあり,今後若年QT延長症候群に対する統一した治療管理指針の確立が望まれる.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo1969.37.Supplement3_86