第11回体表心臓微小電位研究会 QT dispersionの時間的変動に関する検討
背景:心室性不整脈の発生において再分極過程の不均一性が重要であり,この指標としてQT dispersion(QTd)が知られている.この研究の目的は各心拍毎のQTdを計測し,その変動の持つ臨床的意義を検討すること. 方法:15例の正常群,VTを有さない器質的心疾患(OHD)患者53例(VT-),VTを有するOHD患者21例(VT+)を含む89例について検討した.標準12誘導心電図を10分間記録し,各誘導でのQTintervalを自動的に測定し,各心拍毎のQTdを求めた.記録中のmax QTd-min QTdをQTdV,連続するQTdの差の最大値をQTd max,R-R間隔の標準偏差をHRVと定...
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Published in | 心臓 Vol. 34; no. Supplement1; pp. 26 - 30 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益財団法人 日本心臓財団
2002
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ISSN | 0586-4488 2186-3016 |
DOI | 10.11281/shinzo1969.34.Supplement1_26 |
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Summary: | 背景:心室性不整脈の発生において再分極過程の不均一性が重要であり,この指標としてQT dispersion(QTd)が知られている.この研究の目的は各心拍毎のQTdを計測し,その変動の持つ臨床的意義を検討すること. 方法:15例の正常群,VTを有さない器質的心疾患(OHD)患者53例(VT-),VTを有するOHD患者21例(VT+)を含む89例について検討した.標準12誘導心電図を10分間記録し,各誘導でのQTintervalを自動的に測定し,各心拍毎のQTdを求めた.記録中のmax QTd-min QTdをQTdV,連続するQTdの差の最大値をQTd max,R-R間隔の標準偏差をHRVと定義した. 結果:1) OHD群と正常群で測定可能誘導数に差はなかった.2) OHD vs正常群:meanQTd41±14ms vs28±8ms(P=0.0007);QTdvariation: 46±12ms vs36±6ms(p<0.003);QTd maximum:33±10ms vs26±5ms(P<0.02);RR-SDNN:29±19ms vs60±30ms(p<0.0001).3)VT(+)vs VT(-):mean QTd:(P:NS);QTd variation: 53±13ms vs43±10ms(P=0.0009);QTd maximum38±12msand30±9ms(p=0.004);RR-SDNN: (p:NS). 結論:基礎心疾患を有する心室頻拍例ではQTdの心拍毎の変動が大であり,不整脈の発生に関与する再分極異常を反映しているものと考えられた. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo1969.34.Supplement1_26 |