第13回体表心臓微小電位研究会 87点体表面電位図と加算平均心電図を用いて微小△波を検出しえたWPW症候群の1例
明らかな△波を認めない発作性上室性頻拍症(PSVT)患者で,87点体表面電位図(87-ECG)と加算平均心電図(SAECG)の所見より顕性WPW症候群と考えられた症例を報告する.症例は42歳,女性.術前検査:標準12誘導心電図(12-ECG)では明らかな△波は認めなかった.87-ECGにてH4~H5に微小△波を認めた.SAECGのP波終了点とQRS波開始点の間隔(P-Qd)は37msであった.電気生理学的検査によりPSVTは左側壁副伝導路に起因するAVRTと診断した.アブレーションを施行しケント束の離断に成功した.術後検査:12-ECGに明らかな変化は認めなかった.H4~H5の微小△波が消失し...
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Published in | 心臓 Vol. 36; no. Supplement1; pp. 23 - 27 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益財団法人 日本心臓財団
2004
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ISSN | 0586-4488 2186-3016 |
DOI | 10.11281/shinzo1969.36.Supplement1_23 |
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Summary: | 明らかな△波を認めない発作性上室性頻拍症(PSVT)患者で,87点体表面電位図(87-ECG)と加算平均心電図(SAECG)の所見より顕性WPW症候群と考えられた症例を報告する.症例は42歳,女性.術前検査:標準12誘導心電図(12-ECG)では明らかな△波は認めなかった.87-ECGにてH4~H5に微小△波を認めた.SAECGのP波終了点とQRS波開始点の間隔(P-Qd)は37msであった.電気生理学的検査によりPSVTは左側壁副伝導路に起因するAVRTと診断した.アブレーションを施行しケント束の離断に成功した.術後検査:12-ECGに明らかな変化は認めなかった.H4~H5の微小△波が消失した.P-Qdが45msと延長した.考按:WPW症候群では△波の極性からケント束付着部位の同定が可能とされているが,12-ECGでは判別困難な例も多く,87-ECG検査とSAECGがその診断に有用と考えられた. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo1969.36.Supplement1_23 |