第3回 体表心臓微小電位研究会 健常人における加算平均心電図の検討
加算平均心電図の異常値の基準は経験的に決定されたものであり,健常人の加算平均心電図の検討は十分ではない.今回我々は健常な成人100例の加算平均心電図を検討し,以下の結果を得た.加算平均心電図の指標のうちf-QRS値とLAS40値については対象例の分布は正規分布を示した.RAS40値については左に偏った分布をとり正規分布を示さなかったが,logRMS40は正規分布を示した.従来の異常値の基準によればLP陽性と判定される例が健常人の11%に認められた.しかし持続性心室頻拍が誘発される確率が極めて高く,我々がhigh riskと考えているRMS40値が10μV以下の例は健常人には皆無であった.健常人...
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Published in | 心臓 Vol. 25; no. Supplement5; pp. 32 - 36 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益財団法人 日本心臓財団
1993
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Online Access | Get full text |
ISSN | 0586-4488 2186-3016 |
DOI | 10.11281/shinzo1969.25.Supplement5_32 |
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Summary: | 加算平均心電図の異常値の基準は経験的に決定されたものであり,健常人の加算平均心電図の検討は十分ではない.今回我々は健常な成人100例の加算平均心電図を検討し,以下の結果を得た.加算平均心電図の指標のうちf-QRS値とLAS40値については対象例の分布は正規分布を示した.RAS40値については左に偏った分布をとり正規分布を示さなかったが,logRMS40は正規分布を示した.従来の異常値の基準によればLP陽性と判定される例が健常人の11%に認められた.しかし持続性心室頻拍が誘発される確率が極めて高く,我々がhigh riskと考えているRMS40値が10μV以下の例は健常人には皆無であった.健常人の加算平均心電図の各指標の基準値を平均値±2×標準偏差で求めると,f-QRSは120msec,LAS40は43msec,RMS40はlogRMS40より逆算し14μVであった.文献的に考察すればLAS40とRMS40には機種間における差は少ないと考えられたが,f-QRSは機種間で多少の差がみられた.従来の基準ではLP陽性と判定された場合でも,病的であるかどうかの判定には基礎心疾患の有無とRMS40の値を考慮すべきである. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo1969.25.Supplement5_32 |