老年者における耳管機能と鼻腔機能の相関

耳管機能測定における鼻腔内気流圧力 (pressure) や流速 (flow) との相関を精査した研究はない。よって両者の相関を分析した。正常な老年者50名 (100耳) の耳管機能検査を行い、さらに各人の鼻腔機能 (nasal function) を行った。以下の結果が得られた。1) 鼻腔通気では65-69歳、70-74歳代になると偏位 (aberration) が増加する。増加、不規則、平坦、休止期、抑止型などが分析され鼻呼吸は幾らか不安定となる。2) 耳管機能と鼻腔通気との相関ではi) 65歳以上の開放型にsuppression (抑止) が分析された。ii) 70歳代の狭窄型には鼻呼吸...

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Published in耳鼻と臨床 Vol. 44; no. 4Supplement1; pp. 450 - 455
Main Authors 王, 星宇, 安, 宗超, 中野, 富夫, 王, 沙莉
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 耳鼻と臨床会 1998
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ISSN0447-7227
2185-1034
DOI10.11334/jibi1954.44.4Supplement1_450

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Summary:耳管機能測定における鼻腔内気流圧力 (pressure) や流速 (flow) との相関を精査した研究はない。よって両者の相関を分析した。正常な老年者50名 (100耳) の耳管機能検査を行い、さらに各人の鼻腔機能 (nasal function) を行った。以下の結果が得られた。1) 鼻腔通気では65-69歳、70-74歳代になると偏位 (aberration) が増加する。増加、不規則、平坦、休止期、抑止型などが分析され鼻呼吸は幾らか不安定となる。2) 耳管機能と鼻腔通気との相関ではi) 65歳以上の開放型にsuppression (抑止) が分析された。ii) 70歳代の狭窄型には鼻呼吸の不規則、増加型が分析される。iii) 鼻呼吸におけるsuppression型では、耳管機能の開放型が関与する。M. C. R.、flat topではさしたる相関はみられない。3) 鼻呼吸におけるSupp. 型では耳管機能の開放型が観察されるのは老化現象であろうと考えた。
ISSN:0447-7227
2185-1034
DOI:10.11334/jibi1954.44.4Supplement1_450