第14回臨床不整脈研究会 左心室内での電極カテーテル操作中に完全房室ブロックを呈した完全左脚ブロックの1例

症例は72歳男性,平成13年5月に失神による慢性頭蓋内血腫で血腫除去術を受ける.心電図は完全左脚ブロック,心エコーで全周性の壁運動低下(駆出率38%)を認めた.心原性失神を疑い心臓カテーテル検査を施行.冠動脈に有意狭窄,有意な冠攣縮とも.心臓電気生理学的検査ではHis束電位が記録困難であった.右心室内でのカテーテル操作中に一時的な完全房室ブロックを来し,His束電位は断念.洞機能異常.室房伝導.心室頻拍の誘発を試み,右心室流出路,心尖部にてイソプレテレノール負荷下に早期刺激,高頻度刺激を行ったが心室頻拍は誘発されず.続いて左心室からの刺激を試みたが捕捉せず.左心室内のカテーテルを少し動かした時...

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Published in心臓 Vol. 34; no. Supplement4; pp. 48 - 53
Main Authors 小沢, 克良, 佐野, 壮一, 中村, 貴光, 小森, 貞嘉, 久木山, 清貴, 齋藤, 幸生
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 2002
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo1969.34.Supplement4_48

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Summary:症例は72歳男性,平成13年5月に失神による慢性頭蓋内血腫で血腫除去術を受ける.心電図は完全左脚ブロック,心エコーで全周性の壁運動低下(駆出率38%)を認めた.心原性失神を疑い心臓カテーテル検査を施行.冠動脈に有意狭窄,有意な冠攣縮とも.心臓電気生理学的検査ではHis束電位が記録困難であった.右心室内でのカテーテル操作中に一時的な完全房室ブロックを来し,His束電位は断念.洞機能異常.室房伝導.心室頻拍の誘発を試み,右心室流出路,心尖部にてイソプレテレノール負荷下に早期刺激,高頻度刺激を行ったが心室頻拍は誘発されず.続いて左心室からの刺激を試みたが捕捉せず.左心室内のカテーテルを少し動かした時点で完全房室ブロックとなった.カテーテルは直ちに抜去したがブロックは改善せず.一時ペーシング下にHis束心電図を記録し,H-Vブロックを確認.5日間経過をみたが完全房室ブロックは改善せず,永久ペースメーカーを植え込んだ.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo1969.34.Supplement4_48