両側乳腺に多発した乳腺原発神経内分泌腫瘍の1例
【はじめに】乳腺神経内分泌腫瘍は,全身のさまざまな臓器に発生するが,乳腺原発のものはまれである。今回われわれは,両側乳腺に多発する乳腺神経内分泌腫瘍を経験したので報告する。【症例】45歳,女性。既往歴・内服歴・家族歴。1年前に左乳房の腫瘤を自覚し,近医を受診した。精査の結果両側乳癌と診断され,当院に紹介された。当院の乳腺超音波検査でも両側乳癌が疑われ,針生検を施行した。結果は両側乳腺神経内分泌腫瘍が疑われた。手術を行い,右乳腺腫瘍に対しては乳房部分切除術+センチネルリンパ節生検を,左乳房腫瘍に対しては乳房切除術+腋窩郭清を施行した。最終病理検査結果はH.E.染色,免疫染色によって両側乳腺神経内...
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Published in | 四国医学雑誌 Vol. 80; no. 3.4; pp. 125 - 130 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
徳島医学会
2024
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ISSN | 0037-3699 2758-3279 |
DOI | 10.57444/shikokuactamedica.80.3.4_125 |
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Summary: | 【はじめに】乳腺神経内分泌腫瘍は,全身のさまざまな臓器に発生するが,乳腺原発のものはまれである。今回われわれは,両側乳腺に多発する乳腺神経内分泌腫瘍を経験したので報告する。【症例】45歳,女性。既往歴・内服歴・家族歴。1年前に左乳房の腫瘤を自覚し,近医を受診した。精査の結果両側乳癌と診断され,当院に紹介された。当院の乳腺超音波検査でも両側乳癌が疑われ,針生検を施行した。結果は両側乳腺神経内分泌腫瘍が疑われた。手術を行い,右乳腺腫瘍に対しては乳房部分切除術+センチネルリンパ節生検を,左乳房腫瘍に対しては乳房切除術+腋窩郭清を施行した。最終病理検査結果はH.E.染色,免疫染色によって両側乳腺神経内分泌腫瘍と診断された。最終病理検査結果は右乳癌 pT1pN0cM0 p-stage Ⅰ,左乳癌 pT1pN1acM0 p-stage ⅡAであった。【結語】今回,われわれは比較的まれな多発する両側乳腺原発神経内分泌腫瘍の1例を経験したので報告する。 |
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ISSN: | 0037-3699 2758-3279 |
DOI: | 10.57444/shikokuactamedica.80.3.4_125 |