第19回 臨床不整脈研究会 再同期療法施行後1年で洞調律に復帰した持続性心房細動の1例

症例:65歳,男性.2003年7月,心不全で入院.急性心筋炎が疑われ,左室駆出率は35%,中等度僧帽弁閉鎖不全(MR)を認めた.入院時はQRS幅80msecの頻脈性心房細動(AF)であった.第2病日に心拍数46/分の補充調律(QRS幅120msec)を伴う完全房室ブロック(CAVB)が出現,両心室ペースメーカー(VVI型)を植え込んだ.心不全,MR軽快後にAFとCAVBには変化なく,抗不整脈薬非投与で経過観察していた.2004年8月に洞調律への復帰,洞調律下でもCAVBであり心室ペーシング下に洞調律が維持された.2006年5月,心房電極を追加しDDD型に変更した.その後もAFは全く認められない...

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Published in心臓 Vol. 39; no. Supplement4; pp. 11 - 16
Main Authors 山崎, 哲郎, 野上, 昭彦, 玉木, 利幸, 中嶋, 直久, 青木, 元, 小和瀬, 晋弥, 柚本, 和彦, 杉安, 愛子, 荻ノ沢, 泰司, 窪田, 彰一, 加藤, 健一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 2007
Subjects
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo1969.39.Supplement4_11

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Summary:症例:65歳,男性.2003年7月,心不全で入院.急性心筋炎が疑われ,左室駆出率は35%,中等度僧帽弁閉鎖不全(MR)を認めた.入院時はQRS幅80msecの頻脈性心房細動(AF)であった.第2病日に心拍数46/分の補充調律(QRS幅120msec)を伴う完全房室ブロック(CAVB)が出現,両心室ペースメーカー(VVI型)を植え込んだ.心不全,MR軽快後にAFとCAVBには変化なく,抗不整脈薬非投与で経過観察していた.2004年8月に洞調律への復帰,洞調律下でもCAVBであり心室ペーシング下に洞調律が維持された.2006年5月,心房電極を追加しDDD型に変更した.その後もAFは全く認められない.心臓再同期療法(CRT)は心不全を改善するが,AFの予防効果に関しては結論が出ていない.本症例はCRT施行後1年で持続性AFが洞調律に復帰した症例で,その機序を考える上で貴重と考えられ報告する.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo1969.39.Supplement4_11