第16回心臓性急死研究会 心室頻拍に対するappropriate shockによって心室頻拍頻度の増悪を認め,electrical stormを来したと考えられた左室側壁起源心室頻拍を有する拡張型心筋症の1例

症例は62歳男性.左室駆出率27%,全周性収縮力低下を伴う拡張型心筋症例.1年前に持続性心室頻拍(VT)に対しICD植え込み術を施行.経過中にelectrical stormとなり当科緊急入院.心電図上,複数種類のfast VTを認めβ遮断薬・アミオダロンの投与下の鎮静・調節呼吸管理によりVTは消失.覚醒に伴いVTが再出現するためカテーテルアブレーション(RFCA)を施行.イソプロテレノール投与下の右室連続刺激にて血行動態の破綻を伴うfast VTが容易に誘発された.Electro-anatomicalmappingによるvoltage mapではscar部位は同定されず,左室側壁起源のfas...

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Published in心臓 Vol. 36; no. Supplement3; pp. 42 - 48
Main Authors 永原, 大五, 吉岡, 拓司, 土橋, 和文, 藤井, 徳幸, 鵜野, 起久也, 櫻井, 聖一郎, 西里, 仁男, 野田, 亮輔, 島本, 和明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 2004
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo1969.36.Supplement3_42

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Summary:症例は62歳男性.左室駆出率27%,全周性収縮力低下を伴う拡張型心筋症例.1年前に持続性心室頻拍(VT)に対しICD植え込み術を施行.経過中にelectrical stormとなり当科緊急入院.心電図上,複数種類のfast VTを認めβ遮断薬・アミオダロンの投与下の鎮静・調節呼吸管理によりVTは消失.覚醒に伴いVTが再出現するためカテーテルアブレーション(RFCA)を施行.イソプロテレノール投与下の右室連続刺激にて血行動態の破綻を伴うfast VTが容易に誘発された.Electro-anatomicalmappingによるvoltage mapではscar部位は同定されず,左室側壁起源のfast VTに対し洞調律下のペースマッピングを指標にRFCAを施行しVTは消失.以後ICDの作動は認めていない.カテコラミン感受性心室頻拍に対するICDのappropriate shockが引き金となりelectrical stormを来したと考えられた症例を経験したので報告する.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo1969.36.Supplement3_42