パイロット規模のメッシュろ過バイオリアクターによる余剰汚泥の高効率好気性消化に関する研究

排水処理における最終段階は余剰汚泥の処理であるが,とりわけ中小規模の生活排水処理施設において余剰汚泥処理が重要な課題となっている。効率的な汚泥削減技術の開発を目的として,本研究では,パイロット規模のメッシュろ過分離バイオリアクター (MFBR) による汚泥の好気性分解特性の検討を行った。装置-A (容量0.1m3) を用いて,ステンレス製ろ過モジュール (目開き109μm) の構造とろ過分離方法について検討し,装置-B (容量1m3,メッシュ総有効面積1.2m2) を用いて,大学内の浄化槽の返送汚泥を供給し,SS削減特性の検討を行った。汚泥の供給は1日1回とし,ろ過分離操作は1時間ごとに行った...

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Published in廃棄物学会論文誌 Vol. 19; no. 4; pp. 255 - 264
Main Authors 胡, 洪営, 木曽, 祥秋, 小口, 達夫, 細谷, 卓也, 神本, 祐樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 廃棄物資源循環学会 2008
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ISSN1883-1648
1883-163X
DOI10.3985/jswme.19.255

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Summary:排水処理における最終段階は余剰汚泥の処理であるが,とりわけ中小規模の生活排水処理施設において余剰汚泥処理が重要な課題となっている。効率的な汚泥削減技術の開発を目的として,本研究では,パイロット規模のメッシュろ過分離バイオリアクター (MFBR) による汚泥の好気性分解特性の検討を行った。装置-A (容量0.1m3) を用いて,ステンレス製ろ過モジュール (目開き109μm) の構造とろ過分離方法について検討し,装置-B (容量1m3,メッシュ総有効面積1.2m2) を用いて,大学内の浄化槽の返送汚泥を供給し,SS削減特性の検討を行った。汚泥の供給は1日1回とし,ろ過分離操作は1時間ごとに行った。実験後半のPhase-3では,高濃度のMLSS (~30g/L) を保持することができ,HRT=14.2日,負荷率=0.0237kg−SS/kg−MLSS/日,水温8.7~23℃の条件で,供給したSSの91.2%が分解された。供給汚泥のCODCr (懸濁態+溶存態) 除去率は88.8%であり,処理水の溶解性CODCrは約50mg/Lであった。さらに,供給汚泥のT-Nについても85%が除去された。
ISSN:1883-1648
1883-163X
DOI:10.3985/jswme.19.255