肺癌手術前後における最高酸素摂取量の変化 4症例の検討

高齢肺癌手術患者について,術前後の最高酸素摂取量の実態を調査した.対象は原発性肺癌患者4名(平均67歳)である.これらの患者に対し,術前および術後に心肺運動負荷試験を実施した.そして,術後平均30ヵ月に身体活動能力指数(Specific activity scale)を用い退院後の身体活動状況を調査した.peak VO2は術前平均21.3から術後平均14.6ml/kg/minと全症例において術後低下しており,2症例においては12ml/kg/minを下回っていた.退院後のSpecific activity scaleは,classⅡが2症例,classⅢが2症例であり,classⅢに分類された症...

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Published in高知リハビリテーション学院紀要 Vol. 5; pp. 19 - 22
Main Authors 谷, 俊一, 森本, 隆浩, 野村, 卓生, 山﨑, 裕司, 野並, 芳樹, 石田, 健司, 岡崎, 里南, 榎, 勇人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 学校法人高知学園 高知リハビリテーション学院 31.03.2004
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ISSN1345-5648
2433-4553
DOI10.15028/kochireha.5.0_19

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Summary:高齢肺癌手術患者について,術前後の最高酸素摂取量の実態を調査した.対象は原発性肺癌患者4名(平均67歳)である.これらの患者に対し,術前および術後に心肺運動負荷試験を実施した.そして,術後平均30ヵ月に身体活動能力指数(Specific activity scale)を用い退院後の身体活動状況を調査した.peak VO2は術前平均21.3から術後平均14.6ml/kg/minと全症例において術後低下しており,2症例においては12ml/kg/minを下回っていた.退院後のSpecific activity scaleは,classⅡが2症例,classⅢが2症例であり,classⅢに分類された症例は,peak VO2が術後12ml/kg/minを下回っていた.高齢肺癌術後患者の退院時最高酸素摂取量は日常生活自立の上でも不十分なレベルにあり,最高酸素摂取量が低値の症例では,退院後長期間を経過した後も運動耐容能は改善していなかった.以上のことから,退院時運動耐容能の低い患者では,退院後も有酸素作業能力の維持改善を目的とした,運動療法継続の必要性が示唆された.
ISSN:1345-5648
2433-4553
DOI:10.15028/kochireha.5.0_19